夢のうた
秋葉竹


  

そこに朝陽がさすころに
とても醜いできごとを
かき消したいと
希うのだ

わずかに残った悲しみを
それでもスプーンでかき混ぜて
苦いけれども我慢して
そーっと舌に
のせてみる
生きてゆけないほどではないと
最後の一滴まで流しこむ

そこにみ知らぬ切なさが
知らぬまにふと入り込み
それから心はひと筋の
ちいさな傷をおう朝に

それから一日笑顔で暮らす
それがガラスのヤツでもいい

なにを透かせばホントが視える?
いまは寝ている月光に?

そこにあるならちゃんとみる
大丈夫だと信じるよ
それは幻なんかじゃない
信じていると
云うだけは云う

そこに朝陽がさすころに
とても醜いできごとを
かき消したいと
希うのだ

そこに朝陽がさすころに
人まだすくない街をゆき
ポッケの中に丸めてる
手軽な夢を取り出して
朝の光を浴びながら
照れ笑いして
そっと読む










自由詩 夢のうた Copyright 秋葉竹 2022-12-17 13:54:06
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