夜のうた
秋葉竹


  

心の中には
水が無いから
涙なんて
流れやしないと

夜寝る前に
真水をひとくち
一口だけ飲み
心を潤す



空に魚がいないから
あれはちいさな雲なんだ

空に鯨はいないから
あれはおおきな雲なんだ



すーっと息を吸いこんで
じぶんの今日を見返すよ

そしてからだを暖かく
してから眠りにつくだろう

ちょっとはあった良いことを
思い返して良い夢みよう

ふと気がつくと朝だった
みたいな眠りが最近なくて
幸せだよと云えない日々も
けっこう前から味わってるし
ただ悲しみや嫌さ辛さを
口にするほど投げやりでもない

ふと目覚めると深夜2時
云っちいけない言葉だけれど
あゝ幸せになりたいと
目を瞑ったまま心でつぶやく

けれどそのあと
ちゃんと眼を開け

心の中には
水が無いから
涙なんて
流れやしないと

強がりみたいな
ホントをつぶやく









自由詩 夜のうた Copyright 秋葉竹 2022-12-14 21:29:15
notebook Home 戻る  過去 未来