それがあるため




がらんと寂しくなった寝床に向かって泣いた。ただ冷たいだけの水をすするようなものでも、と書いたら。泣くために服を着て、挙句、私はその服に襞まで作ってみせたのです。ひとつの海辺が尽きて垂れ下がる雲がそして、そうして。加速していくのです。毎晩、あかい血痕を散りばめながら太陽は這いずっている、だれかがだれでもいいだれかが足踏みを止めて、誰もが歌わなくなった、 ただここのそれからというものはすっかりつめたくなったまま、まるでそのうちちっとも不思議じゃないように。あの晩もそのようにことを運んだ。きっと私は火がついたように柔らかい目を瞑ると背中で汗がぴょんぴょん跳ね回っている、肘や膝が泳ぐように、と書いたらどなた様にもどうでもよいことだと気がつきました。すみません。終わります。


自由詩 Copyright それがあるため 2022-12-14 17:10:34縦
notebook Home 戻る