爛れる月よ
秋葉竹






黄昏の
駅に降り立つ、その瞬間、
瞳にきらめく夕陽の残光

昔から
闇へと向かう道が好き
あゝ、そんな癖、だけが抜けない

棄てるのは
昔を想い出す癖と
幸せだった「ヤツ」への追憶

次の人
捜す気もない人肌に
ただ寒さを知る、爛れたそのあと

冷たい目、
そんな悪ぶるものじゃない
月よ、心に涙を流すな

死なないよ
冷たい風と恋をして
悲鳴のような喘ぎで泣こうか












自由詩 爛れる月よ Copyright 秋葉竹 2022-12-09 15:04:10
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