詩の日めくり 二〇二二年九月一日─三十一日
田中宏輔

二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」


 ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもあるが、たいていは1000円以内で買える。これはよろこばしいことだ。ファーマーのおもしろさは格別だ。みんなに買ってほしい作家だ。

https://www.amazon.co.jp/s?i=stripbooks&rh=p_27%3A%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%BB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC&s=relevancerank&text=%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%82%BB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC&ref=dp_byline_sr_book_1


二〇二二年九月二日 「夢」


 じっさいにいた大学の研究室で、先輩にカルピス買ってきてとお金を渡されるも、どこにも売っていないという夢を見た。先輩に買い物を頼まれたこともないのに。


二〇二二年九月三日 「センナヨオコさん」


 センナヨオコさんから、個人詩誌『miu 18』を送っていただいた。「湿原」という一篇の詩が載っていた。意味はよくわからないが、詩のような雰囲気はあった。 https://pic.twitter.com/mGQfP49LuI


二〇二二年九月四日 「清水鱗造さん」


 清水鱗造さんから、詩集『ころころころころ』を送っていただいた。清水さんの小説と同様に、幻視のある詩がたくさん載っている。清水さんの小説の相似形になっているような気がした。詩のタイトルのつけ方も小説同様に独特のものがある。 https://pic.twitter.com/eYMjYI1WYY


二〇二二年九月五日 「カメレオン部隊」


 ワールズ・ベスト1968『ホークスビル収容所』11作目は、ロン・グーラートの「カメレオン部隊」変幻自在のカメレオン部隊の一員がある男を捕まえに惑星に行く話。ある男とは、今後いっさい戦争がない世界をつくるという男。会って話してみると、戦争はなくならないという。主人公は気落ちする。退屈な読み物だった。読むのに4、5日かかった。

 12作目は、キース・ロバーツの「コランダ」未来の地球で氷河期である設定。美女のコランダは部族のもののなかでもっとも美しい女性だった。コランダは婿選びに、一角獣を捕まえてくることとした。部族の男たちは船に乗り、一角獣を求めて氷の上を走った。一角獣は捕まえられた。多大な犠牲の上に。

 うかつにもメモしなかったので、この短篇集のどこにある言葉か言えないのだけれど、「二十八歳はまだ若い」みたいな言葉があって、以前に書いたことだけど、西洋文学では二十八歳ってよく出てくる年齢で、「もう二十八歳にもなって」とかの表現が多かったので、ここでは意外だった。大人というものの分水嶺かな。

 探してる言葉が見つかった。ロン・グーラートの「カメレオン部隊」360ページに、「(…)ギャプニーさん、わたしがよく二十八歳の青年にまちがわれるのは、十分に走ったり跳んだりしているからだと思いますね」(浅倉久志訳)正確に引用するとこう。でもまあ、ぼくの記憶とそう違わないと思わない?

 ロン・グーラートの「カメレオン部隊」には、つぎのような言葉もあった。351ページ。全行引用詩に使えるかも。「(…)詩の引用はやめたんですか?」(浅倉久志訳)


二〇二二年九月六日 「夢」


 おいしいフランスパンを食べる夢を見た。むかしは北大路ビブレにも、西院のイオンにもあったのだけれど、両方、潰れちゃった。残念。


二〇二二年九月七日 「三宅鞠詠さん」


 三宅鞠詠さんから、詩集『夢*とりかへばや』を送っていただいた。家系図付きの詩集ははじめて。そういえば、読ませていただいた詩篇は家族に関するものがほとんどだった。珍しい詩集だ。ぼくも家族のことは書くが、それほど多くない。ほとんど書かない。「陽の埋葬」では死んだ妹のことを書いている。 https://pic.twitter.com/SUOtFvuk1H


二〇二二年九月八日 「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」」


 13作目は、R・A・ラファティの「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」世界最高の頭脳の持ち主10人と3台の機械が、過去に干渉して、現代がどう変わるかを試していた。というお話だが、ラファティの短篇特有の難解さがあり、明確な輪郭を見せてくれなかった。言葉を追うのだが意味が掴めない。しかし短篇のはじめのほうでは、8人の人間と3台の機械が実験をすると出ていたので、あとの記述の10人の人間と3台の機械という話と矛盾する。矛盾することを平気で書くラファティだから何とも言えないが、実験はじつは成功していた可能性もあるということだろうか。わからない。悩ましいかぎりだ。


二〇二二年九月九日 「読み直し」


 じっさいに教えていた立命館宇治高校で数学のテストをやる夢を見た。テストをするほうのぼくが遅刻したのだった。

 悔しいから、もう一度読み直した。間違っていた。歴史に手を出すたびに、人間が8人と1台の機械だったのが、10人と3台の機械になり、さらに3人と1台の機械になり、さいごには、人間が7人と機械1台になってた。ということは、過去に干渉して現代を変えるという実験は成功したと言えるのだろう。

 14作目は、ラリイ・ニーヴンの「めぐまれざる者」ある惑星の生物が知的生命体であるかどうかを調査しにきた主人公。わかったことは、その生物がテレパシー能力のある知的生命体であったということ。古代には宇宙を支配していた種族であったが、退化したものたちであったということである。


二〇二二年九月十日 「白夜」


 15作目は、ブライアン・W・オールディスの「白夜」主人公は人間。狼男を追っている。いまのところ人間は機械と共存しているが、機械は人間を排除したがっている。人間の数は減り、狼男たちの数は増えている。未来は狼男たちのものか、機械のものか。というところで終わり。

 さいごの16作目は、D・G・コンプトンの「イギリスに住むというのは」84歳のピアニストが旧友の作曲家の家に行く。友人は新しい機械を持っていた。機械は感覚を記録し再生するという。友人はその機械を使ってピアノを弾くことを望む。主人公は拒んだが、やがてピアノを前にして弾こうとするが、発作を起こす。友人は医師に聞く。死なないだろうかと。医師は言う。死なないだろうと。主人公はそれを聞いて笑う。顔では笑っていなくとも。519ページに、「四分の一ほどの真実をつげる。」(安田 均訳)という言葉が出てくる。この言葉は応用がきく。「いささかほどの真実を含んでいた。」とか。

 きょうから寝るまえの読書は、海外SF傑作選『さようなら、ロビンソン・クルーソー』だ。8作品収められている。未読のものばかりだ。楽しみ。 https://pic.twitter.com/TfE0w3UEDb

『詩の日めくり』を紹介くださっているところがあった。

http://blog.livedoor.jp/adzwsa/archives/44309189.html


二〇二二年九月十一日 「さようなら、ロビンソン・クルーソー」


 1作目は、ジョン・ヴァーリイの「さようなら、ロビンソン・クルーソー」幼年期を二度目に過ごしていたクローンの主人公。水陸両棲の身体を持ち、冥王星で暮らしていた。じつは、経済相だった。実情がわかって、戦線に復帰する。


二〇二二年九月十二日 「柴田 望さん」


 柴田 望さんから、同人詩誌『フラジゃイル』第15号を送っていただいた。柴田さんの作品「スプーン」音楽家のことだと思って読んでいたら、画家のことだったので、びっくりした。こういう書き方もあるのだなあと思った。 https://pic.twitter.com/GxLUyqfWjW

 2作目は、サリイ・A・セラーズの「夢の期待」不死の女性がいたが、彼女は銀行爆破事件の現場にいて、病院に運ばれた。死亡したと思われて、臓器が取り出されて、それらの臓器を必要とする患者たちは移植手術を受けた。臓器を移植された患者は、32時間後には、手術の跡もなくなっていた。

 3作目は、ジョナサン・ファーストの「キャプテン・クラップ・スナックス」双子の兄妹がいた。テレビ番組の「キャプテン・クラップ・スナックス」が大好きだった。双子は死んだ。死後の世界で「キャプテン・クラップ・スナックス」の主人公に会い、そのブランドのケーキをつくらなければならなかった。


二〇二二年九月十三日 「魚の夢、鳥の夢」」


 4作目は、エリザベス・A・リンの「魚の夢、鳥の夢」第3次世界大戦後のアメリカ。人々は地下に住んでいる。主人公の少年は全身に大やけどを負ってしまった。再生された自分の皮膚は定着しなかった。そこで母親は魚の蛋白質からつくった皮膚を使った。成功した。少年は、こんどは翼をつけてよという。

 5作目は、マーチン・ガードナーの「SFパズル・医師のジレンマ」火星で猛毒で接触性のウィルス感染が流行している。ひとりの患者を3人の医師が3回手術しなければならないが、手袋が2枚しかない。手袋は表裏が使える。さて、どうしたら、だれにもウィルスをうつさずに手術ができるか、といった話。



二〇二二年九月十四日 「谷本益男さん」


 6作目は、フレッド・セイバーヘーゲンの「皆既食の時期」ぼくが天文学の知識がないために、なにを読んでいるのかチンプンカンプンだった。つまらない作品に出合うと、読むのにやたらと時間を食う。まあ、そういう読書もあってもいいかなとは思うのだが、なにせ年齢が年齢なだけに、ないほうがいい。

 谷本益男さんから、詩集『越冬する馬』を送っていただいた。手堅く丁寧な情景描写が印象的だ。

眼前の田に
うずくまるように積まれたワラ
被っていたビニールが
皮のようにゆらいでいる
支えていた竹や杭が傾いで
力なく うなだれ
ワラは水も飲めず震えている

(「越冬する馬」第一連) https://pic.twitter.com/aIoSZ4EJ5I

 7作目は、アイザック・アシモフの「美食の哀しみ」月の都市ガンマーでは、人工的な食物がすべてだった。ガンマーから地球に行った青年が主人公。彼は帰ってきて、食品コンテストに出る。優勝する。天然のニンニクを使ったのである。それが長老に知れて、青年はガンマーを去らねばならなくなった。

 いま現在、ぼくらは魚肉や牛肉や豚肉や鶏肉を食べているけれど、一部のひとたちがそれを拒絶していることを知っている。アシモフが描いた未来がやってこないとは、だれに言えよう。人工的につくりだした食材に調味料。あり得る話だと思えた。

 さいごの8作目は、ゴードン・R・ディクスンの「時の嵐」タイトル通り、時間の嵐が世界を襲う。時間がばらばらになるのだ。主人公は男性。白痴の少女と、おとなしい豹を連れて、自分の元妻のいるところへ行こうとするのだが……。野蛮人と化した連中との戦闘もあり、見せ場はある。楽しめた。

 きょうから寝るまえの読書は、海外SF傑作選『気球に乗った異端者』だ。全9作品中、既読のものはひとつもなかった。このアンソロジーと組になった、『さようなら、ロビンソン・クルーソー』が、まあ読めたものだから(ぼくの目は厳しいのだ)楽しみではあるが、ちょっぴり不安でもある。どうだろ。   
https://pic.twitter.com/QvVBbRsc9e

 芸術は虚偽である。虚偽である芸術を鑑賞して、鑑賞者をして自己の真実をより真実らしく思わせる虚偽である。このことは何度も書いているが、あまり理解されないようなので、何度も書く。違った書き方で。拙詩集の詩論詩集『The Wasteless Land.II』に詳しく書いている。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4879957267/ref=dbs_a_def_rwt_hsch_vapi_taft_p1_i7

 きょうも、これからお風呂に入って、それから、日知庵に行く。日曜日ごとの儀式。お酒を飲んで、おいしいものを食べるという儀式。ぼくがするとなにもかもが儀式化してしまう。習慣化する。とも言えるが、ぼくの場合は、儀式化してしまうのである。


二〇二二年九月十五日 「二人の異邦人」


 同人詩誌『妃』第24号を送っていただいた。よく知ってる方が多く、詩集も送っていただいてる方が何人もいらっしゃって、その方たちの最新作品を読めるというのは、なんともよいことだと思った。知らない名前の方の作品も楽しめた。豪勢な同人詩誌だ。 https://pic.twitter.com/J8GkHhkg1i

 1作目は、ジョン・シャーリイの「二人の異邦人」エスキモーたちのところに宇宙船に乗ってきた宇宙人がやってきた。宇宙人はエスキモーたちを狩りなどについて手助けしてくれた。あとで宇宙人を追って白人がやってきた。宇宙人を出せという。白人は唐突に死んだ。宇宙人は仲間がきて帰って行った。7年後、ふたたび宇宙人はエスキモーたちのところにきた。ここで物語は終わる。

夢を見た。慰安旅行先で鞄を盗まれる夢だ。

 二度寝の夢は岸田今日子が女王役のミュージカルだった。ぼくは観客のひとり。大きな犬が出てきた。


二〇二二年九月十六日 「夢」


若い時の夢だった。お祭りで食べに食べ飲みに飲んだ夢だった。


二〇二二年九月十七日  「バックスペース」


 2作目は、F・M・バスビーの「バックスペース」装置の灰色のボタンを押すと、月曜日のある時刻に戻ってしまう。主人公は、もう何度も月曜日に戻られて、うんざりしてしまう。


二〇二二年九月十八日 「夢」


 夢だ。学部の学生のときに哲学の授業をとっていた。テストの日に遅刻した。テスト会場に行ってみたら、食事会をやっていた。テストの代わりに食事会をしていたのだった。びっくりしたぼくは、勉強していたノートを見て、あららと思ったのであった。


二〇二二年九月十九日 「ジョエル」


 3作目は、ポール・アンダースンの「ジョエル」生まれた時からコンピューターで学んでいた女性に恋した男が主人公。コンピューターを介して精神結合をして、さまざまな知識を共有するが、主人公は彼女についていけなかった。彼女の方が進んでいたのだった。彼は彼女と別れることにする。



二〇二二年九月二十日 「SFパズル・カブラの迷い子」


 きょうは、ひさしぶりに、ウルトラQのDVDを見て寝よう。「1/8計画」、「虹の卵」、「2020年の挑戦」、「海底原人ラゴン」の4作品が入っているのをパソコンで見ようっと。ウルトラQは、ぼくのこころに刺さった棘を抜いてくれるような気がする。まあ、まさに、ノスタルジーやね。

 4作目は、マーチン・ガードナーの「SFパズル・カブラの迷い子」惑星カブラのある地点に博士たち3人がいる。その場所を突きとめる話。正直言って、どうでもいい話。つまらない作品だった。

 5作目は、テッド・レイノルズの「変な間借人」猫が宇宙空間を行ったり来たりしているうちに妊娠して子猫を産んで戻ってくる話。読んで、どこがおもしろいのかまったく分からなかった。


二〇二二年九月二十一日 「欠けているもの」


 6作目は、アイザック・アシモフの「欠けているもの」新興宗教に傾倒している妻がいる男がその宗教の内容を「黒後家蜘蛛の会」の面々に話すのだが、その宗教の名前そのものが教理の過ちを示していると給士のヘンリーが説明する。欠けているものとは月のこと。月を考慮しないで名づけた新興宗教の名前。

 7作目は、ランダル・ギャレットの「火星の問題について」火星に行ったと言う小父さんからの手紙。火星が死の星になったのは、20万年前に太陽系外の小惑星帯からきた巨大な岩が衝突したせいだと書いている。方程式が出てくるが、ぼくにはわからない式だった。いちおうぼくは元数学教師なのだけれど。


二〇二二年九月二十二日 「誘拐作戦」


 8作目は、ハーブ・ボエム(ジョン・ヴァーリイ)の「誘拐作戦」これは読んだことがあると思った。調べてみると、読んだことのないはずのものだった。未来の地球人が、過去に飛行機事故に遭うはずの人間を救出して、ケンタウリ3に植民させる物語。未来人は汚染されてて、五体満足で生まれてはこない。しかし、記憶違いではないと思ったので、執拗に調べた。いや、やはり読んでいた。ジョン・ヴァーリイの短篇集『残像』で読んでいたのだ。印象的な名作だったので、憶えていたのだ。残念ながら、いまのぼくの部屋の本棚に、短篇集『残像』はない。だれかに譲ったのだろう。2、3人の友人に譲ったのだ。奇形の未来人たちが、タイム・パラドックスを起こさせないようにするため、確実に死ぬ運命の現代人の命をたすけて、植民地惑星に送り出すというアイデアがすごいと思ったのであるが、叙述もたすける側の奇形の女性にした一人称形式のもので、描写も巧みだった。短篇集『残像』を買い直したくなった。

貯金を全額盗まれる夢を見た。暗証番号を変えようと思った。

暗証番号を変えてきた。

 さいごの9作目は、L・スプレイグ・ディ・キャンプの「気球に乗った異端者」植民惑星が舞台。植民したことも忘れ、人類は中世ののような生活を営んでいる。進化論が正論で、人類は星からやってきたとする説は異端だということで罪になる世界のお話。主人公は異端の罪に問われるが、逃れて生き延びる。

 きょうから寝るまえの読書は、海外SF傑作選『異邦からの眺め』だ。11作品中、読んだものはない。おなじみの作家はスタニスワフ・レムくらい。ヨゼフ・ネスヴァドバとヘルベルト・W・フランケは読んだことがあるかなといった程度で、知らない名前の作家がいっぱい。読むの楽しみだけど不安もある。
https://pic.twitter.com/3kWpGmWWLD


二〇二二年九月二十三日 「郡 宏暢さんと丸田麻保子さんと宮尾節子さん」


 郡 宏暢さんから、同人詩誌『unedited』第5号を送っていただいた。郡さんの作品「果皮」を読む。これが現代詩なのだと思った。戦後詩から遠く隔たって。 https://pic.twitter.com/aj8JGBfCAN

 丸田麻保子さんから、個人詩誌『黒々と透明な』第4号を送っていただいた。読んで、ひっかかるところがなかった。ふだんの言葉で詩をつくっておられるのだと思った。詩語の廃棄は、ぼくもこころがけていること。共感するところの多い作品群だった。 https://pic.twitter.com/pInW3M5hXs

 宮尾節子さんから、詩誌『すぷん』5号を送っていただいた。「宮尾節子読本」とあるように、宮尾さんの詩の解説だとか、宮尾さんを交えての座談会の会話とかが掲載されている。宮尾節子さんの大きさは、とても大きくて、活発な詩の活動をされておられるなと、ぼくも思っている。詩が元気だ。 https://pic.twitter.com/UVqeflEbHn


二〇二二年九月二十四日 「近藤洋太さん」


 近藤洋太さんから、詩集『69』を送っていただいた。「七十歳」という詩のさいごの二行に目がとまった。「詩を書く必要がない自分に気づいた/いつしか書かなくても生きていける人間になっていた」ぼくもそんな気になっている近頃である。 https://pic.twitter.com/slqIiTqT0M


二〇二二年九月二十五日 「古書の値段」


 海外SF傑作選の1冊が、いまアマゾンで30080円で売りに出されている。馬鹿げている。そのうちすぐに500円くらいになるだろうが、こんな値付けをする輩の神経を疑う。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%87%E3%82%A3-%E6%B5%B7%E5%A4%96SF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E6%AD%A3%E5%AE%9F-%E7%B7%A8/dp/B095LCVNQ8/ref=sr_1_6?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=9I04MPYKTJ03&keywords=%E6%B5%B7%E5%A4%96sf%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8+%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE&qid=1664037199&s=books&sprefix=%E6%B5%B7%E5%A4%96sf%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8+%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE+%2Cstripbooks%2C214&sr=1-6

 これも、そう。『999 妖女たち』も底値が8800円もしてる。馬鹿げている。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4488584012/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o01_s00?ie=UTF8&psc=1

@lzSbTWvooJWritQ ぼくは1000円ほどのときに買いました。


二〇二二年九月二十六日 「ユートピアの罠」


 ジョン・ウィンダムの『ユートピアの罠』が、アマゾンでいま2500円している。ついこの間まで数百円だったのに。古書の値付けはどうなってるんだろう?

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%94%E3%82%A2%E3%81%AE%E7%BD%A0-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0/dp/448861003X/ref=sr_1_13?qid=1664083427&refinements=p_27%3A%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0&s=books&sr=1-13&text=%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0

こっちだと、167円が底値だった。

https://www.amazon.co.jp/-/en/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0/dp/B000J7W3UY/ref=sr_1_13?qid=1670242896&refinements=p_27%3A%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0&s=books&sr=1-13&text=%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0


二〇二二年九月二十七日 「ウルトラQ」


 きょうは、どうも疲れているようだ。早く床に就きそうだ。ウルトラQのDVDを見て寝よう。「悪魔ッ子、「燃えろ栄光」「206便消滅す」「あけてくれ」「特典映像」の巻だ。


二〇二二年九月二十八日 「花潜 幸さんと廿楽順治さん」


 高校の時、柔道部だったのだが、先輩のひとりに愛されてたのだけれど、気がつかないふりをしていた。ずいぶん初心だったのだけれど、そのときのことを散文で書こうかな。まだ書けないだろうから、初老になってから書こう。もう61歳だから初老かな。

 花潜 幸さんから、詩集『初めあなたはわたしの先に立ち』を送っていただいた。日常の出来事をひろいあげて、詩句にする技術に長けている方だなと思った。ぼくより11歳、お齢を召した方だが、言葉使いは柔らかい。こころの目に風景がたやすく思い浮かべられる。うまい方だなと思った。 https://pic.twitter.com/b1zZ4gVMsB

 廿楽順治さんから、同人詩誌『Down Beat』第20号を送っていただいた。廿楽さんの作品「油おんな」、「空樽問屋」の2作品。ふつうの改行詩になっている。このほうが下付きの改行詩よりも入ってきやすいように思えた。作品はタイトル通り、おもしろいものだった。 https://pic.twitter.com/gKUymx6CUL


二〇二二年九月二十九日 「海東セラさん」


 海東セラさんから、同人詩誌『グッフォー』第77号を送っていただいた。セラさんの「オートマタ」さいごの一行にこころの目がとまった。「もどりたい場所がわからない」61歳のぼくの身体はボロボロだ。いま膝の関節がとても痛い。そのぼくのこころの目がとまった。 https://pic.twitter.com/d42eGT43tx

 海外SF傑作選『異邦からの眺め』1作目は、スタニスワフ・レムの「完世遠菩薩かんぜおんぼさつ」宙道士のトルルは永遠の幸福を求めて、いろいろ実験するが、ことごとく失敗する。さいごに、死んだ師のところに行って助言を求めたが一笑にふされる。宙道士のクラバウチュスも以前に師のところへ訪れたことを知ると、喜んで帰った。

 2作目は、ジェラール・クランの「こだまの谷」火星に到着した3人の宇宙飛行士たちは、火星に文明の名残があるかどうか探索していた。すると、谷間で声がするのが聞こえた。地球人のひとりがしゃべると、その声も反響して聞こえてきた。なにものかの存在が声の反響で証明されたのであった。


二〇二二年九月三十日 「山本育夫さん」


@pied2020 すてきな詩誌をくださり、ありがとうございました。また小生のことを気づかってくださり、ほんとうにありがとうございました。膝の痛みは老齢からくるものかなと思っております。重いものは持たないようにしております。

 山本育夫さんから、個人編集詩誌『博物誌』第51号を送っていただいた。山本さんの詩の解説に、夢との関係がつづられていて、ぼくの場合と比較してみた。ぼくは夢から触発されることがあまりないように思った。夢をそれほど重きに置いていない書き手なのかもしれない。山本さんはどうやら違うようだ。
https://pic.twitter.com/BYCIgJc1JX

 3作目は、J・P・アンドルヴォンの「カドラーニュ観察日誌」地球人の成人男女が宇宙人に連れ去られ、観察の対象となる。男女はさいしょは別々の檻に入れられていたが、のちに同じ部屋に入れられる。男女は交接する。異星人にはこの交接の現象がはじめは興味あるものであったが、のちにはなくなった。

 4作目は、スヴェン・オゲ・マセンの「指輪」農作業中に不思議な指輪を拾った農夫が、宇宙人のところに連れられて行き、よく似た3つの世界を行き来させる。どの世界を選んでもいいと言われる。農夫は3つの世界のどれをも少しずつ選びたいという。農夫は耕地に立っていた。指輪のことなど忘れて。

 5作目は、ヘルベルト・W・フランケの「探検隊」戦争は地上で行われていた。人類は海のなかにつぎの世界を営んでいた。


二〇二二年九月三十一日 「伊藤芳博さんと北川朱実さん」


 伊藤芳博さんから、個人詩誌『CASTER』第48号を送っていただいた。ひらがなだけでつくる詩について書いてあった。日本語には漢字があるし、漢字混じりの詩のほうが読みやすいと、ぼくは思うのだけれど。ひとそれぞれなんだなと思った。 https://pic.twitter.com/GGD407DVhS

 北川朱実さんから、個人詩誌『CROSS ROAD』第20号を送っていただいた。いまSFを集中的に読んでいるので、北川さんの「遠い日の惑星に帰って」が印象的だった。エッセイが載っている。よく知っている歌手について書かれてあった。 https://pic.twitter.com/QqrRAUK6oc



自由詩 詩の日めくり 二〇二二年九月一日─三十一日 Copyright 田中宏輔 2022-12-05 00:01:02縦
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