盗賊ヨランとアイソニアの騎士(三)
朧月夜

アイソニアの騎士は大股の歩調で、ノーム邸へと入っていった。
アースランテの千人隊長である、アイソニアの騎士は、
ノーム邸の中へと、すんなりと通されたのだ。
ヨランは(さすが騎士様だ)と、感心する。

その屋敷のなかでは、イリアスの父母である、
コウロウ・ノームとハーゼル・ナディが、恐る恐る彼を迎えた。
(彼らは、何らかの秘密を抱えている)アイソニアの騎士は直感する。
「今日は、イリアスを迎えに来たのです。彼女はどこに?」

「それが……イリアスは、昨日から音信がつかないのです」
「何? 彼女はすでに誘拐されたということか!」アイソニアの騎士は吠える。
「分かりません。この街の衛兵に通報はしました。今はまだ……」

「実は、我々は娘さんが誘拐される恐れがある、と知らされたのです」と、ヨラン。
「誘拐ですって?」コウロウ・ノームが叫ぶ。
「まあ!」ハーゼル・ナディは、持っていた皿を取り落とした。


自由詩 盗賊ヨランとアイソニアの騎士(三) Copyright 朧月夜 2022-11-30 17:46:36
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