全開、蛇式
秋葉竹



堕とされて
涙もかってにこぼれちゃう
《蛇の道》は遠くて険しい


悲しみの
数だけいつかはしあわせに
なるという嘘、だけ、信じるわ。


蛇がまっすぐに
立つには《杖》がいる でしょ?
それが《あたし》と云っているんだ!


蛇の皮を財布に入れてるひとがいた
お金持ちに
なれるといいね


見下ろす青龍
世界はおまえにひれ伏さない
ただ純愛を、守る、守るよ。


いつまでも凍えるような小声でね
孤りがこわくはないわ、と呟く

堕天使の
真っ黒な羽にくるまれて
寒いけれども、ふたりで生きたわ。


ただそこにホントの愛が転がって
ふたりの部屋で、蛇と寝ていた。


真っ白な小さな蛇の
悲しみを
わかった気がして、暗闇の中


正直に、好きと告げたらその蛇さ
あたしにまとわりつく、良いけどね。


気持ち良い、
あいがこの身に巻きついて
すっかり最後の夢まで視たけど、



ねぇ、きみ?
あたしのことが好きなんだろう?
ちゃんと眼を視て、舌を出してよ?


ねぇ、きみ?
あたしとふたりで生きられる?
《蛇》を棄てても、生きてくれるの?


ねぇ、きみ?
恋愛、純情、とぐろ巻き
全開、蛇式、ただ、それが好きッ!















自由詩 全開、蛇式 Copyright 秋葉竹 2022-11-27 03:47:01
notebook Home 戻る  過去 未来