戦士エイソスとエインスベル(四)
朧月夜

門番の一人は、二人ともう一人の門番とを残して、
屋敷のなかへと消えていった。そして、二ヤールほどの時が経つ。
そして、神妙な面持ちで一行の前へと帰ってきた。
「どうぞ。エイソス様はお二人にお会いになるそうです」

「助かった。礼を言う。これを取っておいてくれ」
エインスベルは、懐から五十ガリスの金貨を取り出して、二人に渡す。
門番たちの態度には、明らかに変化が見えた。
このようなチップを受け取ることは、仕事中は稀なのであろう。

「どうぞ、こちらへ」そして、一人がエインスベルとリグナロスの
先に立って歩き始める。中でどのようなやり取りがあったのか、
今は、不信の念はいくぶんかは拭い去れらたようだった。

「良い家に住んでいますな、エイソス殿は」と、リグナロス。
「それはそうだろう。クールラントの千人隊長だ」
「千人隊長ですか」エリートは気に入らないというリグナロスの口ぶりだった。


自由詩 戦士エイソスとエインスベル(四) Copyright 朧月夜 2022-11-26 08:02:42
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クールラントの詩