世界の行方(二)
おぼろん

そうして、アイソニアの騎士とヨラン、そしてエインスベルとリグナロスは別れた。
迷いに駆られたエインスベルは、再び虹の魔法石を見つめる。
(この監獄において、虹の魔法石はすべての魔術を無力化した。
 しかし、わたしは魔法を使えた。なぜだろう?)

……そんな問いは、先送りにしても良いようなものだった。
今、エインスベルたちは、祭祀クーラスの陰謀と対峙しようとしている。
クーラスは、なぜクシュリーとイリアスを襲おうとしたのであろうか?
(わたしが、彼の味方でないことは確かだ。

 だが、わたしの敵を作り出すには、あまりにも手が込み過ぎている)
エインスベルは、ヨラン、アイソニアの騎士との友情を確かめ合った。
だが、戦士エイソスがすでに祭祀クーラスに取り込まれているとしたら?

それは、エインスベルにとっても自信のない、ひとつの賭けだった。
(事が大きく動き始める前に、わたしは、それを鎮めなければならない。
 今は、時間そのものがひとつの鍵なのだ。すべてを解決するための……)


自由詩 世界の行方(二) Copyright おぼろん 2022-11-23 18:24:58
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩