カレーリレー
soft_machine

肉壁まで並ぶって
すき間までわがままな歯列
油泡がじっくり押しよせる
風と共に口中を
充たしたスパイスが爽やかな風
今だ風と契る
それだろうね、たぶん
今朝はカレーだったもの

王宮は落ちる
硝子に触れた時のしおらしさは
ごめんなさいって流れてゆく自生
なみだでオールを
ひからせたいのです
公園の漏斗孔
って、独逸趣味なアニメーターが
立派な椅子でつぶやく
ゆんべもカリーだもん

あまいを咬み砕くしずかと
東ハトをふくらませるしずかを
残り物と重ねあわせ
あなたに近づくのだ
空は泡だらけ
何もかも背景
ホントより明日
木でいっぱいの山が雪に
ひとつぶ触れる一瞬だけが知りたい
それはライスカレー

もう彼にも優しくされたい
笑っちゃうくらい食んでいいよ
どうしようもなく硬いきのこ添えて
鍋の底がかなしく覗く
支離滅裂を飲みほす
だって星座も
カレーなのだから



自由詩 カレーリレー Copyright soft_machine 2022-11-22 21:06:15
notebook Home 戻る  過去 未来