エゴイスト
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鶺鴒が笛をふくと
ひかりの道がひろがる
川底には無数の足あとがあって
小鴨の娘たちに
ひとつぶのエメラルドをさす

風にきりきりさからって舞う
猛禽の凧
こんなにも
美しくあふれる世界は
実はとっくに爆発していて
燃えさかり
溶け砕けるをくり返し
「あれはかわう」
ひとりごち
色をかわすのかも
もう冬だというのに
蚊柱に追われ
やつれた花をとび
芝をふみつける
エゴイスト

町のはずれの
ふかい杜にひそむ
精霊たちの訛りが
駆けすぎる子どもらの背中にぶら下がり
わたしはお賽銭を
弾もうとおもう
藤棚なんかあって
友だちが淹れてくれた珈琲にまどい
はつ雪はゆっくりくだけ
指にふりつむ



自由詩 エゴイスト Copyright soft_machine 2022-11-15 17:35:39
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