夜よ
秋葉竹




夜よ、夜よ、夜よ、夜よ。

夜のとばりの中へとわたしを、
連れて行っては、くれやしないか?

夜、風切って、走った、むかし、

走りながら、どこまでゆけば
夜のとばりへ到達するのか、

わからないまま、
疲れきるまで
汗も拭わず
走った、むかし。

忘れられない、バカ正直に
なにかを無心に信じていたころ、

忘れてしまえば、なにもないので
あの夜だけは、忘れやしない。

夜よ、夜よ、夜よ、夜よ。

夜のとばりの中へとわたしを、
連れて行っては、くれやしないか?

お願い、だから

夜。











自由詩 夜よ Copyright 秋葉竹 2022-10-27 03:23:56
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