透明な歌
ミナト 螢

この声が
君に届く頃
飛行機は
南の空を飛ぶ

窓の外を見つめたら
僕の歌が
聴こえるように
枯れ葉は揺れないで

君がいて
僕がいて
空の穴に
手を伸ばしたり

透明だと思っていた林檎が
青ざめた兎みたいに
走って走って
その耳を尖らせた


自由詩 透明な歌 Copyright ミナト 螢 2022-09-27 20:59:50
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