猫の舞
soft_machine

猫に従って公園で雪を焼いた
こうばしく焼けてて繁昌だ
冴ない流しを伴った年若いパ・ドゥ・シャ
やがて霧を映したバロネ

あわい谺に教わり月を結びつけた糸を裁つ
しぼまないで、泣かないで、真空に届いて
星図を棄てたいって巡るソテ
見上げ続けたルルヴェ

どれも空白を踊り続ける生き方
それは多くを見失った今も追いかける
大人になった理由のひとつ
人が子どもだから
子どもが好きだから
慰めなくてはいけないものが多すぎて
慰められるものがあまりにも少ないから
吹いてこの火が天に届くまで

猫になった偶然を元に戻さないといけない
物語は何度でも生き直さなければいけない
こころの一部を差し出した希いを猫が
踊る橋の冷たさに
ぶ厚い幕が降りてからも
猫が舐めて転がすあめ玉の星で



自由詩 猫の舞 Copyright soft_machine 2022-09-26 19:27:45縦
notebook Home 戻る