夜の散歩
大村 浩一



(百年後ニハ
 生キテイナイ)


二人連れと犬
雨上がりの夜
犬は
道端の壁やら草むらを
ジクザグにはしゃぐ
見えないものを見る
ひんやりした空気を恐れたりしない
世界の広がりそのものを
喜んでいる


郵便配達夫が
赤カブで追い越して
黙って走り去る
ウインカーを瞬かせて

(彼モ百年後ニハ
 生キテイナイ)


距離の事を
書きたい


2003/11/25
大村浩一


自由詩 夜の散歩 Copyright 大村 浩一 2003-11-26 22:14:41
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