青い地球をみあげられる月のうえで
秋葉竹





もしももしも
月面に立てるなら
青く美しい地球が
みえるのでしょう

もしももしも
風になれるなら
遠くの無人島まで流れ着きます
そこで人目を気にせず
バカみたいな大声で泣くのでしょう


なにも聴きたくなくて
ヘッドホンをして
雑音みたいな耳鳴りの果てに
幻みたいな冷たい月の輪っかだけ
オロロン、オロロンと泣く声を聴く

空に浮かぶ君の横顔をみて懐かしい
すっかり忘れてしまった
あの頃の幸せが想い出される

ずっとわすれていなかったんだね
ほんとうは
ともしびを心にともすひとりでいても
頰が冷たいキスを想い出して傷つく
キスで傷つかせる君の
センスはじつは大好きなんだったけれど

 
あゝそしてその代わりになれる
こんなところで
闇の明ける夢を
こんな風にみているのです

青い地球をみあげられる
月のうえで
そっと
月のこころに冷たいキスをするのです










自由詩 青い地球をみあげられる月のうえで Copyright 秋葉竹 2022-09-14 21:08:28
notebook Home 戻る  過去 未来