中秋の名月の、「よふかしのうたぁ〜♫」
秋葉竹



むろんとーぜん、してますよ
よふかし

駆けても、走っても、跨いでも、いませんし
したら必ず幸せになれるって訳でもないののに

しちゃってますよ、
よふかし


いまが人生で一番、
とてつもなく生真面目な顔して
生きてるって
気がする


みんな、
どのように嫌なことに
耐えて笑って
生きているのだろうって訊きたくなって、
昔から嫌なことが嫌いだったので
(みんな、そうだろうけど)
引き攣った顔で
みんなのつきあい上手なとびきりの笑顔を
観測しているよ
(みんな、えらいよなぁ〜)

よふかしを好むという
吸血鬼の
悲しみを
わかるようにも想えるけれど
じつは人間なんかにはとてもとても
ほんとうには
じつはぼく自身が
ほんとうは吸血鬼なんだって
知ってる
やましくなるほど
君の血を吸いたいってはなし

そんなはなし
かつて
したこと
あったっけ?

ま、ちょっとあからさまに
恋愛を吸血行為にたとえるのも
人の愛の底がみえた気もするので

最後まで
よふかしをしながら
いったいいつ寝てんだよ?
とか
カラダを心配してもらいながら
世界中の寂しげな微笑みを
抱擁しつづけるつもり


なら、
いつも、いつも
いつまでも、
このしあわせすぎたこの夏を
忘れることなんかできやしないんだ

ちなみに、
あの小さなよっつの島で
明るすぎる満月の下で舞い踊った
黄色い瞳の吸血鬼の罪は
綺麗すぎたこと

しかも心を
純白にして。

首すじを
噛むんじゃなくって
キスしたくなるくらい………











自由詩 中秋の名月の、「よふかしのうたぁ〜♫」 Copyright 秋葉竹 2022-09-11 01:44:52
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