オスファハンと盗賊ヨラン(七)
おぼろん

その時、窓ガラスの割れる音を聞きつけた衛兵たちが、
部屋のなかに駆け込んできた。「オスファハン様、どうしたのですか?」
「遅いぞ、お前たち」「はっ、申し訳ありません。そして、その者たちは?」
「盗賊どもだ。どうやら、ここにある金目の物を狙って来たらしい」

「しかし、オスファハン様に直々に襲い掛かるとは?」
衛兵たちは不審げな目で、二人の襲撃者を見据える。
「はっ。大方国家の重要機密でも、盗み出せると思ったのであろう。
 これらの者たちごとき、わたしでも何とかなる。控えていよ!」

そして、オスファハンは両手に光の球を宿す。
その光球は、ヨランとエイミノアに向かって放たれた。
「あっ!」という声とともに、二人が忽然と姿を消す。

「今、何をなされたのですか? オスファハン様」
「二人には冥界に行ってもらった。死んだのだよ。もう心配はない」
「左様ですか。しかし、これからは警戒をさらに厳にしなければなりますまい……」


自由詩 オスファハンと盗賊ヨラン(七) Copyright おぼろん 2022-07-06 16:32:01
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