軌を一にする
あらい

奇異な金環食の貯金箱には未だ一円も入っていない、いないのだ。だがテレビの砂嵐の前では息が詰まる、つまってる、甘く湿気った菓子を求めて いつものひとの臭いがする。鎮痛剤を呷った。まだまだ殺されるために蓄電シ、ワンルーム、ヲ塗装します。「そうなのかもしれないなぁ、」蛍光ランプに抱かれた植物の複雑数奇な顔で。君らは「辞めてみろよ、」ティッシュ一枚に割いて千羽鶴の価値を預ける。愛だって飛び上がってしまった影は。あのね、生ぬるくて雨も降らない、じとじとの蛇に睨まれただけの気の抜けたソーダ水に溺れていたの。あなたと同居人のあたしたち、蛍光ペンで名付けられクリップで綴られた〈ガラスダマ〉明日の天気はインドよりも遡って、酷暑だってお尋ねしたところで、未来は確かにのろまな亀と収縮した、庇に隠れて勝ち誇った顔で、なんだか臭うような少女と手をつないで 床に座り込みただ今だけの神になる。古道具屋でめまいをおぼえただけ。きっと生まれたのは、明日に中る眼鏡は欠けて、物置小屋にそれで、収まりつつある残骸でも、可愛げある仔猫のようなものを永遠と抱いて鳴くだけなのです。


自由詩 軌を一にする Copyright あらい 2022-06-29 01:11:59
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