夜が終了するまえに
よるもと

ここではないどこかで夜が終了しました。
子どもは朝を舐めてひとくち辛いといえば、
昼にはボールを蹴ってロケットだロケットだ、と
こぞって夜の空をゆびさしている。

サンドロケット、ぼくらは命を捨てようと、
グラウンドをかかとで削って埋まろうとしました。
その砂のうえを昆虫が歩きます、
葉の影のなかをそろそろと歩きます、
その細い足は生々しくて生きるに値する。

easy easy
波の狭間にゆめがあるのだから、
たゆたうように生きてこうという太陽です。
そこに見え隠れする善意なんて、
ぼくらは欲していましたか?

/ジューン・ブライド。
雨粒と雨粒がながれてひとつになることを、
ぼくらはかつてそう呼びました。
グレーな心境が反射した車の窓に、
ぼくらがみていたのはジューン・ブライド。

/デイ・バイ・デイ、デイ・バイ・デイ、
デイバイデイ・デイバイデイに走り高跳びして、
そんな生活にぼくらはいつか死ぬかもしれなかった。

夜がサービス終了してから死んでくれ、と、
オール・マイ・ラブで世界が飢えていくように、
一点の光ずつ夜は終了していく。

かんじゅ、して、
朝が亡くなったことを書き留めていく。

……

ぼくらは星のうざったい明滅みたいに、
からだの芯から怒らなきゃならない、
ぼくらは夜に高速道路を全力疾走して、
あいしてほしいと叫ばなくちゃならない、
 昼が24時間フル稼働するまえに
 あいして・あいして・あいして、
 ぼくらのことあいして・って。


自由詩 夜が終了するまえに Copyright よるもと 2022-06-28 16:27:55縦
notebook Home 戻る  過去 未来