詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日-三十一日
田中宏輔

二〇二〇年十一月一日 「生贄いけにえの王」


『年間SF傑作選3』の6作目は、ポール・アンダースンの「生贄いけにえの王」アメリカ人側の宇宙飛行士が生き残り、敵側に捕まった。敵側のキャプテンは、機械に接続された超頭脳の持ち主だった。妥当な見解をも持ち合わせていたが、アメリカ人の宇宙飛行士は、戦闘的な手段で、彼を破壊した。


二〇二〇年十一月二日 「クリスマスの反乱」


 7作目は、ジェイムズ・ホワイトの「クリスマスの反乱」超能力者の小さな子どもたちが、サンタクロースがいると思って、おもちゃのロケットがどこでつくらているかを探っていると、本物のロケット基地のロケットに辿り着いて、ロケットを発射させてしまう。


二〇二〇年十一月三日 「パステル都市」


 股関節の痛みがずいぶんとやわらいだ。それでか、朝から調子がよい。めずらしく詩句も2つばかり思い浮かんだし、ラッキーな日だ。貧乏はしていても、好きな音楽と、好きな詩と、好きな小説と、仕事ができる限り、この世は天国だ。もう少し暖かいと、公園で詩集でも読んでいるのだが。

 M・ジョン・ハリスンの『パステル都市』を、Amazon で買い直した。まえに持ってたのだけれど、友だちに数年前に譲っていたみたいで、本棚になかったからだ。どうして手放してしまったのか、ぼくの大好きな作家なのに。930円+送料350円だった。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E9%83%BD%E5%B8%82-1981%E5%B9%B4-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%82%AASF%E6%96%87%E5%BA%AB-M-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%B3/dp/B000J816MY/ref=sr_1_1?dchild=1&hvadid=386492703790&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E9%83%BD%E5%B8%82&qid=1604384313&sr=8-1&tag=yahhyd-22


二〇二〇年十一月四日 「プリンス」


 きょうは、一日中、プリンスを聴きまくって、充実した時間を過ごせた。夜の遅い時間からは、読書のつづきを。いま、『年間SF傑作選3』のちょうど半分くらいのところ。あとしばらくの間、プリンスを聴きつづけよう。ジョン・レノン、マイケル・ジャクソン、プリンス、天才は早死にが多いのかな。


二〇二〇年十一月五日 「あのころ」


 8作目は、レイ・ブラッドベリの「世にも稀れなる趣向の奇跡」二人の男は砂漠で蜃気楼を見る。都会が、ザナドゥが映っている。二人は、観客から金をもらう。蜃気楼が見えなくなる。しかし、そのあとで、金をもらうことをやめる。蜃気楼はふたたび見えることになる。

 9作目は、ウィリアム・F・ノーランの「あのころ」精神病患者の見たまま現実が起こる。散文詩のようだった。


二〇二〇年十一月六日 「パステル都市」


 Amazon で買った本、きょう届いてた。M・ジョン・ハリスンの『パステル都市』だ。想像してたものよりも、ずっといい状態の本でよかった。手放したSF小説のなかで、いちばん読み直したい作品だった。 https://pic.twitter.com/ZloN1bMNUE 


二〇二〇年十一月七日 「宿久理花子さんと篠原義男さん」


 宿久理花子さんから、詩集『here』を送っていただいた。冒頭の詩篇「シ、どこでも/」言葉の切断の仕方に現代の詩を見た。二篇目の「地下」という詩篇では、「一時間あたり千二百円が支払われる」という詩句に目がとまる。ぼくの時給と比較してだ。どの詩篇にも目をみはる詩句が出てくる。素晴らしい。 https://pic.twitter.com/iv3wYY6HON

 10作目は、J・G・バラードの「狂気の人たち」自分の父親を自殺に追いやった人物を殺そうとする青年。それをやめさせようとする二人の精神科医。しかし、やめさせられそうにないところで物語は終わる。

 11作目は、ブライアン・クリーヴの「アンジェラのサチュロス」美少女に恋したサチュロス。美少女もサチュロスのことを愛している。途中、邪魔が入るが、さいごは目出度くふたりの恋は成就する。

 篠原義男さんから、詩集『宇宙の闇のソの渦の中』を送っていただいた。「メシを喰ラう資格はナイ」の「芸術家になりたい と 60前後の職を転々とシ/一・二ヶ月勤めては生活が出来てしまうコトへの不安に辞めてしまう/金などイらナイと 生活は出来てはイけナイのだト 生活を拒否シ」独特の仮名遣い https://pic.twitter.com/TSJL6dqnTz

 12作目は、フレドリック・ブラウンの「人形芝居」宇宙連合の全権大使がやってきた。ロバに乗って。地球人の異星人嫌いを試すために、人間に似た人形を使って、さいごに、ロバの格好をした者が、本物の全権大使だとわかる。この作品は記憶していた。

 13作目は、マック・レナルズの「地球人、ゴー・ホーム!」火星旅行の案内である。


二〇二〇年十一月八日 「分科委員会」


 さいごの14作目は、ゼナ・ヘンダースンの「分科委員会」宇宙人の船団と一触即発の状態で、地球人の子どもが宇宙人の子どもと遊んでいる。その姿を母親が見て、母親の夫が関わっている交渉会議に出席して、和解の方法を見つけるというもの。読んだことを憶えてた。ゼナ・ヘンダースンは優れた作家だ。

 きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選4』の再読だ。目次を見て、読んだことのある記憶にあるのは、バーナード・マラムッドの「ユダヤ鳥」と、コードウェイナー・スミスの「酔いどれ船」の二作のみ。しかもタイトルしか憶えていない。「ユダヤ鳥」はおもしろかったことだけは憶えている。
https://pic.twitter.com/ruQ74bM0DR

 いや、内容も憶えている。と思っている通りの作品ならば、気狂いじみた作品だった。ゲラゲラ笑って読んだことを思い出した。

 ちなみに、いま、Amazon で、いくらくらいするのか調べてみたら、64円だった。
https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%B4%E5%88%8ASF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8%E3%80%88%E7%AC%AC4%E3%80%89-1968%E5%B9%B4-%E5%89%B5%E5%85%83%E6%8E%A8%E7%90%86%E6%96%87%E5%BA%AB/dp/B000JA9SHC/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%B9%B4%E5%88%8Asf%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8+4&qid=1604769242&s=books&sr=1-1

 送料を考えにいれなければ、3円だった。すげえ安いな。ぼくが買ったころは、もっとずっと高かった記憶がある。まあ、そのころは、Amazon を使ってなかったけれどもね。ネットで古書店で買ったか、ヤフオクで買ったかしてたんだけれども。

 ロバート・シルヴァーバーグの『第四惑星の反乱』を、Amazon で買った。コンプリートに集めたつもりだったが、この作品は、見逃していた。
https://www.amazon.co.jp/%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E6%83%91%E6%98%9F%E3%81%AE%E5%8F%8D%E4%B9%B1-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-C-32-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0/dp/4265010172/ref=sr_1_48?dchild=1&hvadid=335422632672&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0&qid=1604776443&sr=8-48&tag=yahhyd-22

 持ってたはずなのだけど、本棚を見てなかったので、ロバート・シルヴァーバーグの『不老不死プロジェクト』を買い直した。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4488649041/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

 これまた、本棚を見てなかったので、ロバート・シルヴァーバーグの『一人の中の二人』を、買い直した。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J8U22E/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

 これまた、アシモフとの共著、ロバート・シルヴァーバーグの『アンドリューNDR114 』も買った。ブックオフで105円のときに買っておいてもよかったのだけれど、アシモフとの共著というので、買わなかったものだ。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BCNDR114-%E5%89%B5%E5%85%83SF%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%95/dp/4488604102/ref=sr_1_14?dchild=1&qid=1604836860&refinements=p_27%3A%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0&s=books&sr=1-14&text=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0

 アシモフとの共著、ロバート・シルヴァーバーグの『夜来たる』を買った。
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%9C%E6%9D%A5%E3%81%9F%E3%82%8B-%E9%95%B7%E7%B7%A8%E7%89%88-%E5%89%B5%E5%85%83SF%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%95/dp/4488604099/ref=sr_1_6?dchild=1&qid=1604836860&refinements=p_27%3A%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0&s=books&sr=1-6&text=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0

 ロバート・シルヴァーバーグの『生きていた火星人』を買った。これで、コンプリートかな。ふう。結構、買い忘れていたものだ。駄作が一作もないという作家である。https://www.amazon.co.jp/gp/product/4251080025/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1…a

 きのうときょうの二日間で、6000円以上、本を買ったことになる。すべて、ロバート・シルヴァーバーグの本である。持っていて、ひとに譲ったものもあるけれど、初見のものもある。読むのが楽しみ。駄作が一作もない作家である。これで部屋にあるものと合わせると、コンプリートだと思うのだけれど。


二〇二〇年十一月九日 「ジープを走らせる娘」


 1作目は、ウィリアム・テンの「新ファウスト・バーニー」地球を宇宙人に売り渡しかけた男の話。

 2作目は、アルフレッド・ベスターの「ジープを走らせる娘」これは、このあいだ読んだベスターの短篇集『世界のもうひとつの顔』にあった「昔を今になすよしもがな」である。地球に残ったさいごの男女の物語である。物語のさいごのところで、他の生き残りがいたことがわかるのだが。

 3作目は、フリッツ・ライバーの「二百三十七個の肖像」亡くなった偉大な俳優である父親の肖像が、不逞の息子と話をする。肖像は自分を壊せと息子に迫るが、息子はそれを拒否する。ぼくも、この作品と同じ設定で、「陽の埋葬」を書いたことがあった。ぼくのは父親の声で語る鸚鵡の剥製との会話でだが。

 4作目は、チャールズ・ボーモントの「とむらいの唄」ソロモンという名の目の見えない老人がいて、肩に鴉を乗っけてるんだけど、彼が家にきて、とむらいの唄を唄うと、その家の人間が死ぬということだったが、ソロモンを殺した青年がいて、公判を待っていると、夜にソロモンのとむらいの唄が聞こえる。


二〇二〇年十一月十日 「ユダヤ鳥」


 5作目は、バーナード・マラムッドの「ユダヤ鳥」である。言葉をしゃべることができる鳥がいつく話だ。憶えていた物語とは違っていた。子どもがなついていたので追い出さなかったが、とうとう頭にきて、父親が殺してしまう話だ。風刺的な物語だ。

 6作目は、フレドリック・ブラウンの「二つの規範」おれという主語が、異なる人物につぎつぎ書きつづられる。男女の性交を匂わす画面がテレビに映し出される。それを何人ものおれが見て、けしからんと思い、うらやましいとも思う。

 ロバート・シルヴァーバーグの『不老不死プロジェクト』、『第四惑星の反乱』、『一人の中の二人』が届いた。『一人の中の二人』が、10ページにわたって、ページ折れしており、カヴァーに汚れがあったので、返品リクエストをした。『不老不死プロジェクト』、『第四惑星の反乱』には問題なし。 https://pic.twitter.com/x9mdAmSoOs


二〇二〇年十一月十一日 「アンドリューNDR114」


 Amazon で注文していたロバート・シルヴァーバーグの『生きていた火星人』、『夜来たる』、『アンドリューNDR114』が到着した。『夜来たる』は天に点シミがいっぱい、『アンドリューNDR114』はカヴァーがずれているし、『生きていた火星人』は三方にシミが多くて、どれもきちゃない。仕方ないか。 https://pic.twitter.com/bGGzNsNHcC


二〇二〇年十一月十二日 「明朝みんちょうの壺」


 一人暮らしをして、かれこれ35年ほどになるが、40代までは友だちもいて、しゃべっていたが、50代半ばに何人かの友だちと縁を切り、しゃべる相手がいなくなって、詩をつくる機会が少なくなった。しゃべるって、大事なことなのだなと痛感するこの頃。いま友だちはえいちゃんと大谷良太くんだけだ。

 7作目は、E・C・タブの『明朝みんちょうの壺」世界が戦争によって滅びることを予見した男が美である明朝の壺を盗み出す。超能力者を追う超能力者が、彼を捕まえて話し合う。そして彼をソビエト側に亡命させることにした。世界が滅びるのを避けるために。未来が予見通りでもないことを知って。


二〇二〇年十一月十三日 「80年代SF傑作選・上下巻」


 ひさびさに、Amazon 以外のネット経由で、古書店に注文した。ハヤカワから出てた『80年代SF傑作選・上下巻』である。本体、2冊で、2000円だった。Amazon でなら、下巻だけで、6000円もしたのだった。あと、『90年代SF傑作選』をどこで買うかだな。

 キャン・ドゥで、グラスを買うこと。〒604-8061京都府京都市中京区寺町通六角下る式部町255


二〇二〇年十一月十四日 「カシェルとの契約」


 8作目は、ジェラルド・カーシュの「カシェルとの契約」雑誌社の社長に、自分の4年間の時間をやるから金を前借した作家がいた。契約が成立して、作家は金を前借してしこたま飲みに回った。翌日、社長が自殺したことを知らされる。バーテンに訊かれる。「この2年間どこにいらしてたんですか?


二〇二〇年十一月十五日 「酔いどれ船」


 さいごの9作目は、コードウェイナー・スミスの「酔いどれ船」第三宇宙を旧型のロケットで、第四地球から地球に一瞬にして航行してきたアルチュール・ランボーは、恋人のエリザベートに会おうとしていた。物語は複雑だが、要点はこういうものだった。「人間同士のあいだでは、うそだけが真理だ。」(宇野利泰訳、330ページ、6行目)という言葉が印象的だった。

 きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選5』の再読である。目次を見ても、記憶しているものはなかった。タイトルだけ憶えていたものはあった。ロジャー・ゼラズニイの「伝道の書に薔薇を」Amazon で調べると、1440円が底値だった。 https://pic.twitter.com/zdluGeXK4L

 1作目は、キッド・リードの「オートマチックの虎」虎の精巧なロボットというべきおもちゃを買った男の話。虎の威を借るそのままの話。虎がいるからこそ自信もつき、大きな態度でいれたのだが、虎をうっちゃっておいてから運がなくなっていった。さいごは虎も壊れて、男は文無しになってしまう。

あしたは、高木神経科医院で、処方箋を。


二〇二〇年十一月十六日 「きらめく生きもの」


 2作目は、アーサー・C・クラークの「きらめく生きもの」海面と深いところの温度差を利用した発電プロジェクトに加わった男が、海の深部で巨大なイカを見るというもの。そのイカがプロジェクトの邪魔をしていたことがわかるというもの。

 ネットで古書店に注文していた『80年代SF傑作選』の上下巻が到着した。並上の状態かな。上巻のカヴァーにわずかな汚れと、上下巻の天にわずかな点シミがあるくらい。Amazon では下巻だけで6000円したものが、上下巻で2000円だったのだから、よかった。送料280円。良心的だ。 https://pic.twitter.com/6u0GOE3Kny

 2014年にAmazon で、思潮社オンデマンドから出した翻訳詩集『LGBTIQの詩人たちの英詩翻訳』が売れたみたいだ。うれしい。美しい、かわいらしい詩がいっぱい載ってるから、ぼく自身の詩集より、おすすめです。
https://www.amazon.co.jp/LGBTIQ%E3%81%AE%E8%A9%A9%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E8%8B%B1%E8%A9%A9%E7%BF%BB%E8%A8%B3-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%AE%8F%E8%BC%94/dp/4783727643/ref=sr_1_2?dchild=1&hvadid=335400668283&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%AE%8F%E8%BC%94&qid=1605527120&sr=8-2&tag=yahhyd-22

 3作目は、マック・レナルズの「平和主義者」戦争を回避するためには、軍事研究をしている科学者や政治家などを殺すこともいとわない平和主義者の組織があった、という話。その組織の一員が当局に包囲されているときに、逃げられたのに、殺すのに飽きたからという理由で殺さず、逆に殺されるという話。


二〇二〇年十一月十七日 「新百科辞典」


 4作目は、スティーヴン・ベッカーの「新百科辞典」辞典形式のSF。アメリカが全体主義の国になっている。

 5作目は、ジョン・D・マクドナルドの「ジョー・リーの伝説」改造車を駆って突っ走る19歳の青年が17歳の少女と駆け落ちした。警察をあざ笑うがごとき暴走車の疾駆。警察は捕まえようとする。しかし、8か月もまえに運河に突っ込んで彼らは死んでいた。

 6作目は、ジェイムズ・D・フーストンの「ガスマスク」高速道路の上で6日間も高速渋滞で身動きできなくなった男の話。高速渋滞は六日以上もつづく模様。そこで主人公はガスマスクを買おうと決心したのだった。

 7作目は、フッセル・ベイカーの「おそるべき変身」機械になりたいという人間が増えているという話。

 またまた、2014年に Amazon にて、思潮社オンデマンド詩集として出した、ぼくの翻訳詩集『LGBTIQの詩人たちの英詩翻訳』が売れたみたい。うれしい。おもしろい詩がたくさん載ってるから、よろこんでいただけると思う。
https://www.amazon.co.jp/LGBTIQ%E3%81%AE%E8%A9%A9%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E8%8B%B1%E8%A9%A9%E7%BF%BB%E8%A8%B3-%E7%94%B0%E4%B8%AD-%E5%AE%8F%E8%BC%94/dp/4783727643/ref=sr_1_2?dchild=1&hvadid=335400668283&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E7%94%B0%E4%B8%AD%E5%AE%8F%E8%BC%94&qid=1605527120&sr=8-2&tag=yahhyd-22&fbclid=IwAR3Uyu0dqOoIIctYTiR3uH4r9GU1YoKYg7ooS7PNqzeyuH-K5092npksfu4


二〇二〇年十一月十八日 「第三帝国最後の秘密兵器」


 8作目は、ヨゼフ・ネスワドバの「第三帝国最後の秘密兵器」ナチスさいごの秘密兵器とは、一晩で、男の子どもを大人に成長させる方法だった。子どもは父親そっくりに成長していた。このアイデアを軸にした物語。


二〇二〇年十一月十九日 「降りる」


 9作目は、トマス・M・ディッシュの「降りる」えんえんと下り続けるエスカレーターに乗った男の話。1週間以上も。さいごは、男は「くりこみ口の板の上に頭をのせ」(大谷圭二訳)、「両手の指は、ぎざぎざした溝の中にあった。」(大谷圭二訳)エスカレーターのぎざぎざは彼の肉を剥ぎ取りはじめた。

 10作目は、ロマン・ギャリーの「退廃」アメリカのシンジケートのボスがイタリアに行って芸術家になってしまった。彼をアメリカに連れて帰ろうとした連中は、目的があって、イタリアに迎えに行ったのだが、芸術家では困るというので殺してしまう。

 11作目は、フリッツ・ライバーの「心安かれ」ロボットがいたるところで働いてくれている未来の合衆国で、公共道徳局宛てに、自分の生活環境について不安を抱いている女性が一人いた。彼女宛てに、安心するようにアルミニューム紙で、長官名義であなたの危惧は思い過ごしですよと書簡を送ってきた。

 12作目は、フランク・ロバーツの「それはあなたかも」平和が続いている未来都市で、テレビ中継をしながら当選者を出す番組がある。当選者はなにかもらえると思ったら大間違い。殺されるのだ。民衆の手によって。その権利が抽選にあるのだった。不安を消す薬を常用しているという設定でもあった。


二〇二〇年十一月二十日 「2000年代海外SF傑作選」


 Amazon で注文していた、ハヤカワSF文庫の『2000年代海外SF傑作選』が届いた。新刊本らしく、カヴァーも完璧にきれいだ。いまジョディス・メリルが編集した『年間SF傑作選』を第一巻から第五巻まで読み直しているが、古書のいい感じの汚れ方、日の焼け方をしている。小口、天は焦げ茶色だ。
https://pic.twitter.com/FxpoaK0OCN


二〇二〇年十一月二十一日 「清水鱗造さん」


 清水鱗造さんから、小説『昆虫弁当』と、批評集『『現代詩手帖』詩書月評 一九九〇年/清水鱗造 批評集 第二分冊』を送っていただいた。小説、さっそく読ませていただこう。前作と同様にマジック・リアリズムで書かれてありそうな雰囲気。楽しみ。批評集も、ぼくは読むのが稀で、これまた、楽しみ。
https://pic.twitter.com/tYxk10iFm6

 Amazon で、『2010年代海外SF傑作選』 (ハヤカワ文庫SF)を予約で買った。12月下旬に出るやつだ。これまた楽しみ。古書になって買うことになると、元値よりも高くなることが多いので、新刊本で買っておくのだった。
https://www.amazon.co.jp/2010%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E6%B5%B7%E5%A4%96SF%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E6%A9%8B%E6%9C%AC-%E8%BC%9D%E5%B9%B8/dp/4150123101/ref=sr_1_2?dchild=1&qid=1605965233&s=books&sr=1-2&text=%E6%A9%8B%E6%9C%AC+%E8%BC%9D%E5%B9%B8


二〇二〇年十一月二十二日 「大谷良太くん」


 きのう、大谷良太くんちに行く途中、東寺のブックオフに寄ったんだけれど、小説の棚がなくなっていて、漫画の棚ばかりになっていた。写真集とかの棚はあったのだけれど。びっくりした。


二〇二〇年十一月二十三日 「人類の恩人」


 13作目は、ジェイムズ・T・ファレルの「人類の恩人」頭のあまりよくなかった主人公が、夜学に通い猛烈に勉強して、創作機械をつくった。その創作機械のおかげで、出版社はもうかり、作家はいなくなった。主人公は本は好きだが作家のことは嫌いであったのである。

 14作目は、ハップ・ケイウッドの「シンクロモクラシー」政治が各家庭にあるコンピューターによって操作されている未来の話。中継した世論が直ちに政治に反映される仕組みになっている。1ページちょっとの作品だった。

 15作目は、ロジャー・ゼラズニイの「伝道の書に薔薇を」火星人の言葉を完全に把握した地球の天才詩人の話。火星人は不妊症にかかっていたが、詩人と結ばれた火星人の女性とのあいだに子どもが生まれることになった。それで火星人は滅びることがなくなったのだが、詩人から彼女は離れていった。

 16作目は、ドナルド・ホールの「すてきな犬のぬいぐるみ服」九歳の男の子が犬のぬいぐるみ服を買ってもらって、犬そっくりにふるまう。犬と間違えられて、スラム街の一家に連れてこられる。服が脱げなくて、さいごまで犬と間違えられる。言葉をしゃべると、言葉をしゃべる犬だと思われる。


二〇二〇年十一月二十四日 「昆虫弁当」


 清水鱗造さんから頂いた小説『昆虫弁当』を読み終わった。主人公の男女のカップルがオオサンショウウオを旅に連れて行くのだけれど、そのときオオサンショウウオ自身が用意した餌になる昆虫を入れた弁当箱が昆虫弁当というわけ。前作と同様、マジック・リアリズムで書かれた不思議な小説だった。
https://pic.twitter.com/0nU0Pfne5N

 17作目は、ノーマン・ケーガンの「数理飛行士」タイトルにある数学のスペシャリストが数学的空間を移動したり、いろいろ実験をしたりする話。数学的用語が頻出する難解な作品だった。

 18作目は、ホセ・マリア・ヒロネリャの「赤い卵」マウスにできた癌細胞が、独立して、意志を持ち、赤い卵となって、空中に飛び上がった。だれにとりつこうかと思案した結果、癌の切除手術で優秀な外科医にとりつくことにした。

 19作目は、M・E・ホワイトの「積極的考えの力」両親のいない少女の話。普通小説だった。


二〇二〇年十一月二十五日 「実地教育」


 20作目は、デヴィッド・R・パンチの「実地教育」死についての実地教育というわけで、父親だけで息子と娘を育てている家庭での話。ソーセージを土のなかに埋めて、6っか月後にどうなっているか見たところ、蛇が葉巻の空箱でつくった棺のなかに入っていたというもの。普通小説だな、これも。

 21作目は、フィリップ・H・スミス&アラン・E・ナースの「一つ多すぎた奇跡」医師が奇跡的な治療を施す。どのような重病者も治す。ところがそのせいで、医師は多忙となり、自身の奇跡的な力を放棄する。こんどは逆に診た患者が死ぬ。医師はさいごに自殺する。

 さいごの22作目は、ジョン・ブラナーの「最後の孤独な人間」コンタクトという方法で、人格が転移される社会の話。削除も可能。同情心から、だれもコンタクトがないという男の人格をコンタクトしたら、そいつの嫌な性格が移ってしまったというわけ。相手は自殺して削除ができなくなっている。

 きょうから、寝るまえの読書は、『年間SF傑作選6』の再読である。目次を見ても、1作も思い出されない。やはり、すさまじい忘却力だ。
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 1作目は、ロバート・J・ティリーの「ほかのなにかを」未知の惑星に不時着したただひとりの生き残りの博士は、音楽を通じてその惑星の生き物と意思疎通をした。地球からの救援隊がやってきてその動物を殺して博士を地球に連れ帰ったが、博士はふつうの暮らしに満足できないものを感じていた。

 2作目は、J・G・バラードの「火山の舞踏」火山の近くに住んでいる主人公のまえで踊りをつづける乞食。火山が活発に活動してくる。主人公の姿が消える。

 3作目は、R・A・ラファティの「火曜日の夜」5分で大富豪になったり、乞食になったりする男がいたり、7分で書いたものが5分で大ベストセラーになったりする世界。理解することはあまり意味がない作品である。

 4作目は、A・K・ジョーゲンスンの「成人の日」成人になるためには、コンセックスという有機物でできたものを、股間に装着しなければならなくなっている社会の話。よくわからないが、人口抑制に関することだからだそうだ。

 5作目は、ジョセフィン・サクストンの「障壁」しのび返しのついた巨大な障壁にさえぎられた男女の恋物語。さいごは、ふたりとも障壁に登り、しのび返しに突き刺されて死ぬ。見ると、しのび返しには、ほかのカップルたちの遺骸がいくつも見られた。


二〇二〇年十一月二十六日 「生存者」


 6作目は、ウォルター・F・モウディの「生存者」アメリカとソ連が戦争オリンピックなるもので、戦争の代わりをしている未来。100人ずつの兵士で殺し合いをさせて、生存者がいる方が勝ちになるものである。その戦闘の模様はテレビ中継されている。作品では、アメリカが勝った。


二〇二〇年十一月二十七日 「月面上の決闘」


 7作目は、フリッツ・ライバーの「月面上の決闘」異星人と月面上で戦う地球人の話。銃で撃ち合うのだ。ちょっとノスタルジイを思い起こさせる作品だった。

「きみの名前は?」(ボブ・クロサカ『なしうる者よ、なせ」吉田誠一訳、『年間SF傑作選6』151ページ)

 8作目は、ボブ・クロサカの「なしうる者よ、なせ」大学の教室で、「なぜ、数学を学習しなければならないのですか?」という質問を学生がする。学生は得意の超能力を見せつけるが、教授のほうが上手をいく超能力を見せつけて、終わり。学生は納得したかのような様子で教室を出ていく。おもしろかった。

 9作目は、アリステア・ベヴァンの「スーザン」不思議な力をもった少女の話。先生からも、母親からも、こう訊かれる。「あなたはだれなの?」と。


二〇二〇年十一月二十八日 「海東セラさん」


 海東セラさんから、個人詩誌『ピエ』第21号を送っていただいた。「わざわざ乗せた傾きをその手で保つひとの背に、空が半分覗いている。」といった詩句に目がとまる。「矩形に切り分けて進むうちにすっぽり埋まってそのひとそのものがまず消える」ビジョンを見ようとして、頭のどこかで考えている。
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 むずかしくはないけれど、そう簡単なものでもない。「黙したまま、起点はくりかえしつくられる。」そう簡単なものでもない。

 ぼくの最新詩論集『『マールボロ。』の詩学』が、Amazon で買えるようになったみたいです。よろしくお願いします。こちら→
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 10作目は、トマス・M・ディッシュの「ゴキブリ」ゴキブリ嫌いの女性がいて、あるときゴキブリに命じたら、ゴキブリが命じられたように活動することがわかった。隣に住んでいる三人組が嫌いで、三人組の部屋にゴキブリが集まるように命じた。ゴキブリは三人組を襲った。彼女はゴキブリの女王なのだ。

 11作目は、ロン・グーラートの「ターミナル」老人施設での出来事。終末処理と言われる安楽死にされる男の話。本人にはっきりとした記憶はないが、自分は老人ではないと思っている。しかし、施設側のアンドロイドたちは、彼を終末処理すべき老人として扱う。老人問題と安楽死の関係が興味深い。

 12作目は、トム・ハーゾグの「陰謀」夫を殺そうとしている妻。電気髭剃り機に忠告を受ける夫。殺されかけていることに気づく夫。偶然の手違いで夫が死んでしまう。どうしようかとヘアブラシに尋ねる妻。口をきく電気髭剃り機やヘヤブラシというガジェットがおもしろかった。


二〇二〇年十一月二十九日 「伊藤浩子さん」


 伊藤浩子さんから、詩集『数千の暁と数万の宵闇と』を送っていただいた。前詩集の実験性を経た硬質の言葉が突き刺さる。レトリカルな詩句の連打に、心地よく酔わせていただいた。不思議だ。同じ日本語の詩でも、こうまで統制のとれた硬質の言葉が紡ぎだされるなんて。 https://pic.twitter.com/q8s53oz0TD


二〇二〇年十一月三十日 「メールシュトレーム II」


 ツイッター社から、「ご利用のアカウント(@atsusuketanaka)に新しい端末からログインがありました(2020年11月28日)。確認してください。」
って、きたけれど、その時刻にその場所からログインしてないので、悪者が出た可能性がある。

@ekaba62 怖い社会だね。

 きょうは、これから市立病院だ。糖尿病の診療だ。ちょっと太ったので心配だ。

 ちょっとどころではなかった。半年前に比べて8キロも太っていた。今回の数値はよかったけれど、このままでは次回の数値が危ぶまれるということで、重々、注意してやせるように言われた。これからはインスタントラーメンを食べるのをやめようと思った。

 13作目は、アーサー・C・クラークの「メールシュトレーム II」ポオのメールシュトレーム月面版である。隊員は助かる。

14作目は、ゴードン・R・ディクスンの「戦士」宇宙からやってきたひとりの軍人。迎え撃とうとするのは、地球でも大物のやくざ者。軍人はひとりで立ち向かい、やくざ者を倒した。正確に言えば、死ぬように仕向けた。軍人が散弾銃を浴びても平気だったことが謎であるが、古いSFだが不思議だ。

 15作目は、アート・バックワルドの「火星はわがもの!」火星人がいたことがわかり、地球では、アメリカとソ連が火星を東西に分けて、それぞれの主義において支援した。ほかの国々も、火星に軍事支援を行い、火星人を支配しようとした。

 16作目は、ブライアン・W・オールディスの「スカーフの世界」生物を合成してつくれるようになった時代。原始人を10人つくり、そこに動物をつくって、パノラマとして観衆に見物させていた。この作品は、その原始人のひとりに焦点をあてて描かれたもの。オールディスらしさにあふれていた。

 17作目は、ロバート・D・チアージの「感応精神病と関連のある極度の電解失調の特異なる一症例」一夫人の死の症例。夫人は感応能力を持っていた。夫の被害妄想と、家の崩壊という災難に見舞われて死亡した。


二〇二〇年十一月三十一日 「円環の廃墟」


 18作目は、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「円環の廃墟」夢見るひとも、だれかほかのひとの夢であったという話。夢見ることで、ひとを創造したと思っていた人物も、またほかの人間によって夢見てつくられたものであるというもの。

 19作目は、ジェラルド・カーシュの「遠からぬところ」戦争ものだ。敵から火薬などの武器を奪って逃げる少年兵士たち。途中に川があって、一時間のうちに橋を架けなければならない。敵が追ってくるからだ。どうにかして川に橋を架けて逃れた。箴言じみた言葉が二つ、目を惹いた。ひとつは、「人がほんとうに存在するのは、思い出されるときだけだ」(吉田誠一訳)、いまもうひとつは、「まともな人間はみな、地獄をのぞいたことがあるのだ。」(吉田誠一訳)

 20作目は、ロアルド・ダールの「廃墟にて」人肉を食べるまでの状況。「少し分けてあげても構いませんがね、次の食事を提供すると約束してくださるのならば。わたしはまったく汚染していません」(吉田誠一訳)

 さいごの21作目は、ボブ・オタム・ジュニアの「から騒ぎ」「ここは宇宙の果てです」という大きな看板が出ているところに出くわす宇宙の地図製作者たちの話。オチのある落語のような話。




自由詩 詩の日めくり 二〇二〇年十一月一日-三十一日 Copyright 田中宏輔 2022-06-20 00:35:58
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