いきつ もどりつ
ふるる

千の陽光が結んでほ
王位を継承したいと言
ころぶ子どもたちの足をまたはらう稲穂
うその曠野を食べなければならない

立ち入り禁止の看板にな
必ずや勝ってみせると言って引
だれの予言なのか早く逃げた忘れたよあの人の名
かれていく花の中ブタは下半身の麻痺

交通整理をしなければ通れないゆ
お互いに突然のことで驚愕のい
めのなかに水音がたたえられているのに干あがる湯
かすみで何もかも見えなかった海の境界

飛べないミツバチの黄色いかな
捨てた、うるさすぎる飛ぶ、群れるよ
しみの濃いカーテン膨れてたくらみの否
しきりに雨の降る森はがいじめする夜

あふれすずやかに鐘、ただ響きわ
こずるいのは誰だ赤い靴をな
たりないはずの物を探しているうち消えうせた輪
げてものを食う口を延々と見せる女

遊んでばかりいて馬の世話やらずにし
また光る画面に泳ぎつついきつもどり
まいこんだ歌と足と花びらが翻弄される嵐
つかんだこの手を二度と離さないと誓ってばかり




自由詩 いきつ もどりつ Copyright ふるる 2022-06-14 09:01:39
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