虹の根元
ひだかたけし
雨が上がった街に
人が通り過ぎる、車が通り過ぎる
僕は窓辺で見ている
にわかに大地が割れるのを
見果てながら
彼らは何処に向かうのだろうかと
遥かな地平に虹がかかる
俺は虹の根元を手探りする
すっかり両手は七色に染まり
虹の根元は掴めない
スルリスルリ逃げていく
まるであの世と繋がっているようだ
まるであの世に入っていくようだ
雨上がりの街角を
手繋ぎ笑顔でカップルが行く
陽射しを受けた横顔はとても幸せそうだ
僕は窓辺で見ている
カッと割れる大地に立ち尽くし
カッと割れる大地にくず折れて