風船と猫
服部 剛

赤い風船が 
雑居ビルの屋上を越えて
空へ吸いこまれてゆく

路地裏を
うろつく黒猫が足をとめて
二階の私と、目が合う 

――幸いは
  掴むものじゃないらしい


自由詩 風船と猫 Copyright 服部 剛 2022-05-22 23:40:49
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