針樹の翅、砂の
ryinx




             。       •



    針樹の翅が 、はためくとき 、

   とうめいの空には 、宛のない日々の輪郭が 


          • .



               〆     ..



    ゆらぐけしきの小さなこえが .

    昏がりに 、淡くさざめくとき


      ___________


    はみだす線に、辿りつけないように


      .    ・

.




   。ピントを 、合わせず 、映写する

    焦点を定め 。失われた記憶が 、はねに

    樹々のなか 、かすかに 震える 草の根に

     (引っ掻いて 鋲でとめたのは ,




                •

      〆ひとつ、から、無数、迄,,


   、さざめく 、風にふれて 舞うこの葉に 、歩をとめる

    視界の内に 、ひたひたと ‘ 零れゆく 、

      銀の砂の 。   ___________





           。



   しずけさを帯びたざわめきが   ____  木霊する 

    風に霧散した 、いつかの日々は 、時の砂浜に流されて

    あと戻りすることのない記憶が 、 単色に滲む 、

   、境界線の向こうがわへと 、おしやられていく
                       .

.


              .


     遠い木々の傍らに佇む 、


      いつかの空き地の裏の 、痕跡に


    .



              〆20220517
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自由詩 針樹の翅、砂の Copyright ryinx 2022-05-17 14:11:03
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