滑り落ちていったものだけ
竜門勇気
ごっこ遊びをしてる
爪の伸びた友達と
殴られたあとが痛い
殴られるまでは痛くない
呪文を唱える友達
唱えた呪文を聞くだけの俺
心地の良い季節だね
心にもない言葉
どこかいこうよ、ふたりで
心にもない言葉
青春の中であった伝聞のなかで
いちばん気に入った言葉を
お互いになげあってるだけ
むかし遊んでたとこに
いつか行ってみような
子供がいたら
殴り殺したりしちゃったりしてさ
乾いた草とかあったら火、つけちゃうんだ
川には毒流して
街で何もかも壊して
子供だったらそうするよってこと
全部やろうよ
秘密を作っただけ
それを壊した
取るに足らないもんだった
だけ
脆い関係だけ
作ることができた
細く頼りない糸しかもってなかった
だけだけど
ごっこあそびをしてる
ぼくはたのしい
みんなおとなになって
とてもさみしい
ひみつのばしょはとられた
みえてたいろはもうちがう
あの脆い糸が破れて
滑り落ちていったものだけ
集まった場所が
俺の中にある
青春と呼ばれてた時代
大きく投げられたボール
天に向かって吸い込まれていくように見えたとき
近づいてくる地面が呼んでるように見えたとき
正直なんにも変わらない