Unmade5
ひだかたけし

奇妙なものに
取り囲まれ
見知らぬものの
浮き立つ
わたしの回りで
しなやかな輪舞を
繰り返し
奇妙なまま
見知らぬまま
ひたすらに
自由を分節し
いつしか
あっけなく
呑まれていく
遠い浜辺で
優雅に舞いながら
唐突に命尽き
未完成のまま
余韻を木霊させ

  *

未完成のまま
呑まれていく
それらのものに
名前はない
ただ
奇妙なもの
見知らぬもの
次々と生まれ
この星に降り立ち
昇る太陽、沈む月
宇宙の大いなる律動と
同期し踊り共鳴し
その存在性を
刻印しては
呑まれていく

新たな目覚め
波間の舞い
すべて一瞬で奪われて
最後の涙が溢れると
あの懐かしい場所へ
帰っていく








自由詩 Unmade5 Copyright ひだかたけし 2022-05-04 00:07:01
notebook Home 戻る