嘘をついてもいい夜
秋葉竹



幻の虹をみた夜、
好きすぎた昔を求めた
ほろ酔いの君の瞳は
幻の虹をみた夜、

叶わないよこしまな夢を
叶えたいとだれに祈ればいいのか
それさえも忘れてしまったという

びしょ濡れで
でも笑顔で生きていて
ただ好きですと
言いたいだけのくせに
好きなだけの君のくせに

叶わない愛なんて
言わない、って言ってる


そして
慰めの夜はしずかに更け行き
やさしい表情になるなら君の
君のあたたかいまなざしを受けて
そっと死んでもいいって
思うんだろうな


君は心の中でなら
叶わない愛なんて聴こえない、
って言ってたんだから


幻の虹をみた夜、
好きすぎた昔を求めた
ほろ酔いの君の瞳は
幻の虹をみた夜、

まるで最後のような別れを
告げようとするんだ本気の目で
でも今夜は
嘘をついても許される夜だから、

だよね?












自由詩 嘘をついてもいい夜 Copyright 秋葉竹 2022-04-02 00:16:13
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