幼子たち
ちぇりこ。

光の螺旋が、天使の渦になってゆく春の音階で、白い洗濯物を汚すお仕事です、と、あなた方は、わたしの腕などするり、と抜けると、二階へと続く階段を、ぱたぱたと何往復もする、日がな一日飽きもせず、光る足跡をつけながら

そこかしこに散らばった、あなた方の光る足跡を、知らずに踏んづけてしまうと、しばらくの間、あなた方の口調で乳臭い言語を真似るようになるから困る

夕暮れ、春の水平線上に、カモメによく似た海鳥の隊列、あなた方は、まあるい瞳の中で警笛を鳴らす、とても発育の良い背伸びの仕方、海鳥の隊列が、まぶたの裏側で旋回しているよ、あなた方は、あどけない遠心力に振り回されて引き潮、健やかな幕引き、それはあなた方の、正しい眠り方、眠りの王国で聞く聞こえるべき音の在り方、正しく憶えてて、発芽にも似た目覚め方で、あなた方は、真っ直ぐです



自由詩 幼子たち Copyright ちぇりこ。 2022-03-29 09:33:24
notebook Home 戻る