春告げの歌を
秋葉竹




漂うみどりの匂い
空の色まで降り落ちるような
雨の上がった小高い丘の春は
草の上に寝転んで
新緑
の匂いにむせかえる

むずかしく
考える必要はない
夕焼けの空、夕焼けの街
夕陽がすぅーっと這いこむ
フローリングに寝ころび
あなたのココロを慰撫してあげて
甘えさせてあげたいな

風に乗ってきた
軽やかな恋歌が
どの海を越えてやってきたのか
ふと知りたくなる
この目を閉じて
その歌の意味を噛みしめる
やさしいメロディーの
歌詞は悲しいわかれうただったりする
笑っちゃダメで青く苦い経験なんだけど

そっと泣いたり
する?

だからただ
あの肌に
そうっと触れたい欲望を
もう抑えられなくなりそうで

この
もはや
祈るしかない、正しいと
思いこみたい希みを
けれども捨て去って
こころを震わせて
あなたの横で
どうか
眠らせて欲しい

そして
あの歌を
聴かせて欲しい

それだけで
春を信じられるから












自由詩 春告げの歌を Copyright 秋葉竹 2022-03-27 21:49:07
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