無限階段
ひだかたけし

一歩一歩踏みしめ
登っていく階段の無限
日は照りつけ身体は重く
おまけに心は白昼夢の最中

繰り返される映像がまとわりつく
繰り返される音像が離れない
刻まれる変則的なビート
鳴り響くサキソフォン

優雅な春の夕べに
哀しく響く声は絶えずサンプリングされ
遠い霊峰を目指し進むわたしの足取りは
一つのダンス、一つの自己防衛
心がもがれ剥き出され
荒涼とした下界を後に
登っていく、昇っていく
(振り払うように
こびりついた血糊を振り落とすように
全身を痙攣させ)

一歩一歩踏みしめ
登っていく階段の無限
日は照りつけ身体は重く
何処にも神さまは見当たらない











自由詩 無限階段 Copyright ひだかたけし 2022-03-21 23:57:54縦
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