春を抱きたいんだよ
秋葉竹



ひとりで
生きること
絶望が胸板を刺し
聴こえるのは
闇の中の静かなつぶやきごえ
だれ?
どこで
生きてるの?


パソコンに向かう深夜
気づくと
黎明
ひとりを終わらせて
冬を終わらせる春陽の訪れを
待つ


春を感じ
川岸の土手を歩いて
そっと君の
横顔をぬすみみるよ
降るは桃色花びら
ひらりひらり


桜に酔ってそうな
そして
気が大きくなって
求婚してしまいそうな
君は
微笑んで
いてくれている桜トンネルの下


つくしんぼ
唇に
当ててみて
むかし吸ってた
タバコの真似してみる
ぷはぁ〜
とか口にして
光る空気の中


やさしい風に
髪を撫でられ
春の陽も射してきて
眩しいくらい
こんな気持ち
ひさしぶりになれた
ゆっくりと電車が
走る音が聴こえる


指をからませて
あたたかい愛おしさが
胸いっぱいだよ
夢のような
春の陽
きらきらだよ
いつまでも夢の中で
歩かせて?


好きな人
真白な心を持った人
なぁ〜んてね
うすい青色の大空に残る
消えかけの
透きとおった小さな満月みたいな
その儚さを
抱きしめたいんだ君
なぁ〜んてね?

ウソ
真剣に
泣きたいくらい
好きなんだ
どうしよう?












自由詩 春を抱きたいんだよ Copyright 秋葉竹 2022-03-20 07:44:36
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