風吹く街の赤い月を
秋葉竹
喧騒の
夜の街に溺れる私の
すがりたい真っ白な想いがある
けれど息つぎが下手くそで
凍った心を守ることさえできない
むかし大好きなものを棄てて
冷たい目を手に入れたこともある
そうね、
その目で
赤い月を見上げたのは
心を凍らせるのに都合のいい月だったから
どうしてだろう?
陽気な音楽が流れてくる
優しい空間で私のうしろにいる小さな
少女のホムラ
ひとりじぶんの中を覗きこんでいる
でもね、
そんなバカな悲しみって
ないよね?
私がみたのは
『どうせ生きることはひとり』が
たったひとりで
しなやかに踊りながらもらした
彼女のさみしげな微笑み
そのとおり、ね
限りある命が
もっと生きさせてほしいと望んだとき
青く澄んだ世界はヒビの入ったガラスに変わる
そして、ね
ガラス細工の口笛を吹く風
全てを忘れながら
この街を歩いているのは
透きとおった儚げな香りを
夜になるまえに感じだから
なんて、ね?
じぶんに訊くの、
なんでかなぁ、
夢は、叶わないって言ってしまっていいの?
自由詩
風吹く街の赤い月を
Copyright
秋葉竹
2022-03-17 21:08:44