きえている
草野春心



  なでられ なめられ
  めでられ めくられて
  いるときに また
  硬く 近く 拒むのだった
  キッチンで
  蛇口で
  ぼくじしんのようなあらわれと
  いっぽんの水道水は
  ひかりが
  そこらの あいだに詰まっているから
  あけがたの部屋はまぶしい ひかりとは
  じゅうぶんに きえていることだ
  きみの髪が くろい ながれている
  どうしてやってきたのか
  ことばのなかにいて
  たどれない




自由詩 きえている Copyright 草野春心 2022-03-02 22:52:36
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