宝石の涙
秋葉竹



好きな小さな白い花の話をして
通じないのがあたりまえだと
知ってるのに
それが通じたときの
まるで透明なお日様みたいな
あたたかな光を浴びせてくれるみたいな

ちょっと、恥ずかしいや

あなたが心に受けた
すべてのどんな細かい傷にも
やさしさゆえの
痛みがあるという
だから、かも
そんな
うつむいた
あなたの顔が、好きなのだ

かも。

宝石に憧れる人が、好き。

宝石
そんな
人間でなく
動物でなく
生物でさえない
鉱物としての美しさに
けっして生かせない
けっして殺せない
けっして泣かないそんな美しさに
憧れる気持ちを。

愛なら愛と名づけて欲しい。

そんな嘘、
月みあげて
哀しい遠吠えする狼みたいな
透きとおる孤独さで

愛なら愛と認めて欲しい、

そしてそんなやさしさに甘えている
僕のことを
かんがえて、欲しい。










自由詩 宝石の涙 Copyright 秋葉竹 2022-03-02 22:39:42
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