ラブソングよ、永遠鳴れ。
津煙保存


気がつけば、
懐かしい歌が僕のなかに流れていた。

昔、よく聴いていたんだった、

J-Pop なんて生まれていない、時代の頃。

一つの恋が終わり、
その残り香にさよならを告げる、

いつかまた会えたならと、願いをこめて、

一人の男の舌で巧みに巻かれながら、
軽快なリズムに合わせて言葉が弾かれ、
あっけなく終わる。

 悲しい歌が流れていた────

  
 僕は知っている。
霞のかかるこの街にも新しい季節は訪れて、
雲雀は天高く羽ばたいて歌うように宣言するだろう。

雷魚の漆黒の影は厳かに春の水面を弛ませ、
新しい種が風に乗り大地へと撒かれていくんだ。

この感情は変わらず迷彩の森をかたちづくり、
そしてさまよいながらも月の光をめざしていく、
僕たちは僕たちをとらえることができるかな。

 ラブソングよ永遠鳴れ、
 そうさ、永遠鳴れよラブソング、
 鼓動の高鳴りのままに弦を張り踵を踏み鳴らせ、
 愚かなるも生命のかたちして、
 惑う一瞬の雨の奔り、星を喰らい星を撃ち、
 光
    闇
       溶け込み、 飛び越えていくだけ、 タマシイ

      真実はどこにある?   


 僕は知っている。
霞のかかるこの街にも新しい季節は訪れて、
雲雀は天高く羽ばたいて歌うように宣言するよ。


      きみはどこにいる、








自由詩 ラブソングよ、永遠鳴れ。 Copyright 津煙保存 2022-02-26 16:13:14
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