目の淵
草野春心



  目の淵に
  暗やみの流砂が
  付着してい、あおいのか
  しろいのか 不確か

  数値のかたちを
  一息に呑みこんで
  膝のあたりに 浮きたつ
  いいかげんな ベクトル

  牛が草を食む
  靴に汗がしみる
  雨とともに春の夜がくる
  目を とじて ねむる

  ひかりからきたのではない
  映像がおもいだされる
  目の淵に 流砂が
  口をひらいて



自由詩 目の淵 Copyright 草野春心 2022-02-23 21:02:36縦
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