炎の柱(二)
朧月夜

「お前はこの現世を滅ぼす、エインスベルよ」恐ろしい声が再び言った。
「お前が何者であろうとも、わたしはお前に与することはない」
エインスベルは果敢に答えた。その傍らで、
盗賊ヨランは言ったのだった。「あの炎の柱は危険です」

「わたしから手を離さないでください」
盗賊ヨランはエインスベルの手を握った。
そして、次元跳躍の呪術で恐ろしい声から離れようとした。
「わたしは逃げも隠れもせぬぞ!」

「しかし、あれは幽冥界の者です。あなたにとって危険です」
「危険は百も承知の上」エインスベルは悪あがきを言う。
「いいえ、人間界は幽冥界には太刀打ちできないのです」

そして、盗賊ヨランがエインスベルを連れて次元跳躍した。
「エインスベル、いや、ククリス・リーガンディアよ、
 わたしはお前がどこにいても、すぐさま見つけることが出来る」


自由詩 炎の柱(二) Copyright 朧月夜 2022-02-11 10:48:05
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クールラントの詩