あと追いたいかな花一匁
秋葉竹



だれを望みもしない
だれに望まれなくていい

こんな街のアスファルトだって
こんな寒い日は
ちゃんと凍っていてくれるだろ

そうだ
いつも
ひとりだった
いつも
ひとりだった
嘘じゃないんだ

冬になると
思い知らされる
あたたかかった肌や吐息

あの北国の部屋に
あった冬は
ほんとうは今の街の冬より
冷たい冬だった

今は
どこにだって
冷たい風が吹くから

生きて
「生きたよ、今日も」
それが約束だから
「ううん、想い出してなんか、ないよ」
それも約束だから
だから
はやく
逢いたいなぁ

だれを望みもしない
だれに望まれなくていい

なんて心はほんとうなら
ダメだって知ってるよ

アナタガイナイカラ
イケナインジャナイカ

こんな皮肉れた心だって
こんな寒い日は
ちゃんと凍っていてくれるだろ

夜が明けてくれるなら
なんだっていい

こうして
ひとりの日々はつづく
いつまでもいつまでも
つづいてゆくというのだろう?











自由詩 あと追いたいかな花一匁 Copyright 秋葉竹 2022-02-06 01:09:30
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