冬の、金魚たち………
秋葉竹


ほんとうは、
雪なんて、
みないのです。
清らかに美しい高い塔は
黙っている言葉のなかにあります。


死、は、静かな影絵
少年の高さの目線に
綺麗に並べられています。


悲しみを食い破ろうとする金魚のふりをする
悲しみもなくただ泣いているだけの僕の片眼

すべての幸せは
奪い去られるために
産まれているのです。


ねぇ?神さま?
人はひとりで、生きては、ダメです!


まだ、生きてゆきたいのかどうか、
ひとまず、強く無視してしまう、というのが、
正しい選択だ、と思うと言っても、良いですか?


ねぇ?君たち?
冬の、朝の、空に、消えゆく………
雪の、金魚たち………?











自由詩 冬の、金魚たち……… Copyright 秋葉竹 2022-02-05 04:03:54
notebook Home 戻る  過去 未来