戦っても、戦っても
秋葉竹


男は、誰も彼も戦う運命のしもべ、とは
千年川に流れる薄っぺらな真実だろうが
それらの川の行先の海に問題はあるのだが
そんなこと急に言われても寒くて、唇、震えてる

僕が僕である罪の意味に酔って
あれじゃない白鯨が、狂って、暴れるなら
カオスの海の白い波に溺れてみたかった

なぜなら、あの白銀の風吹く城跡には
夏草、も、歴史、も、みることができなくて
ただ僕の過去だけが残っていて、終わっている

使い古された黎明、
黒い山の稜線を触りながら夢から醒める
まるであのアニメに出てくる
古い家のお姉さんとはずいぶん前に別れ
あの歪な電波塔の発する七色の夢の欠片が

消えてなくならない世界との遠い時間を
もう触れることもできないもどかしさ
いつになったら僕は電波の海を泳ぐ
白鯨と戦う男の幻影から解き放たれ
背中を丸めてもう、二月の真夜中だから
頭痺れたあの酔いから醒めてもいい?
と戦うことをやめてもよくなるのだろうか?










自由詩 戦っても、戦っても Copyright 秋葉竹 2022-02-04 03:14:08
notebook Home 戻る  過去 未来