痛々しくも、怖じ気づいてしまったぜ、ふるさとに
秋葉竹




(どうせ、あたしは、毒毒しいのでね……)
咲かないと身を縮めている彼岸花


(いまはテレビの中くらいでしか、みないから)
あぜ道を歩く夢みるなんてなぁ


(しとしと小雨が降っていた…………)
寂しくてひとり国道歩いた夜


(ふるさとなんて、大嫌いッ!)
あの街を忘れられない冬の朝


(ハハ、今日から、あたしは自由な一人部屋)
自由って悲しむ自由もあっていい?


(都会ってヤツぁ、都会ってヤツぁ、土さえ無え!)
土が無い世界に生きるそして死ぬ


(あたしの心と、心の中のアイツは、死んだのに)
葬いの鐘が鳴らない静かな夜


(イケナイことやって、体どころか、心まで痩せて…………)
罪を知りそれでも生きる痩せながら


(着飾り過ぎて、着ぐるみ着てたみたいだ、笑)
着ぐるみを脱いだみたいな素のなみだ


(子供の頃から、優等生だったけど、そう言えば)
サヨナラの手の振り方は習ってない


(別れたくない、追いかけたい、けど、サヨナラ)
そして朝それでも虚空に手を伸ばす














自由詩 痛々しくも、怖じ気づいてしまったぜ、ふるさとに Copyright 秋葉竹 2022-02-01 05:50:54
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