海よ
坂本瞳子

こんな日に海風に吹かれたら
寒いことこの上ないだろうとは思いつつ
それでも大海原を眺めたいと
願ってしまうのは
水分が不足しているからだろうか
または青が欲しいのか
波の音が聴きたいだけか
波飛沫を浴びたいのだろうか
いや
塩分を欲しているのかもしれない
とどのつまりなんでもいい
海に行きたいんだ
泳ぎたいのでも潜りたいのでもない
飲まれたいのかもしれないけれど
ただ海に行きたいんだ


自由詩 海よ Copyright 坂本瞳子 2022-01-13 22:29:02
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