月、千の風、闇の歌
秋葉竹




きらめく星の宝石、寒い街角でも


帰宅する人のため息、そっと視線を落とす


あのビルの屋上には地上の宝石があり


けれど手に入れられない、僕には届かない



夢を呑み込んで、満天の星の夜を過ごしたい


現実はいつだってなにか大事なものを終わらせる


生きるためには、影絵であろうとした人


暗く輝く瞳、透きとおった夜空が映る


彼女をお手本に生きる、堕天の瞳が好き


どこにも行かないという嘘、千の風、闇の歌



きらめく星の宝石、寒い街角には


僕の新しい歌が流れる、誰がそれを聴く?


遠くの、月の、夢の、石の、欠片でいいから


手に入れられない、空を飛べない



月、小さな花を咲かせ


月、小さな花を降らせ


月、怯えたくなる僕の悲しい嘘を


月、その花でそぉっと隠しておくれ












自由詩 月、千の風、闇の歌 Copyright 秋葉竹 2022-01-13 20:27:47
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