僕をみつけて?
秋葉竹



夜に堕ちて、
むかし旅した冬を想い出す

客船からみる黄昏の海は
ただただおだやかに
でもキラキラして
波が、人魚の金髪のようだった

想い出せるのはそのしあわせな
現世と常世の狭間のような時間

そして今となっては
想い出すことしかできない、美しい時間


そして想い出すのは彼女の言葉
《満月はお菓子のように
食べられたがっている?
そんなわけ無いけれど
とっても美味しそうなんだもの
わたし、満月を食べたいな
無理なら、満月に《なる》のでもいい》


それを信じて生きる人の心は
運命を信じている人の真心を
ちゃんとみきわめ
瞳、濡らしてくれる新しい喜びは
いつもそこにあったし
いまだってほんとうは
ここにあるのかもしれない
あたりまえの顔をして、

足をブラブラさせて
三日月に乗っかってるかもしれない

リゲル、リゲル

そんな僕をみつけてほしい










自由詩 僕をみつけて? Copyright 秋葉竹 2022-01-12 21:22:06
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