林檎
TwoRivers

林檎が声を殺して
泣いている

想像ですが
ずっと信じていたことが
裏切られたのでしょう

聞き飽きた励ましの言葉では
林檎は泣き止みません

境界面に滲み出ている
涙みたいな光が
優しく諭す

(忘れた頃に報われるから)
(次会う時は初めまして)

林檎が声を殺して
泣いていた

引き裂かれそうなその姿は
いつの間にか
眠った時のように
見えなくなった


自由詩 林檎 Copyright TwoRivers 2022-01-11 20:22:30
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