初月
soft_machine

それはいっぽんの小径
なみのかたちで振れ
丘のすきまをぬう
夢のはじまり
一日のおわり

ひとは その間
ひとみをみがくいちまいの布として
ぼんやりとてる 初月
あなたの中で
まっ赤にとけたころ
はきだされるこころ
いたみをきらう手鏡に
むかってきみは拍手する
光では なみだをぬぐいきれず
影に からだをかさねては

いつからいるのか分からない
どこにいて
どこから どこまで
分からない
でもどうやら 在るらしい
しのぶ不穏が 今もどこにでも
時間
空間
第六感
これら不均衡に見つけられる
ひとはひとつのちいさな受容体
現在
それは あなた自身をふり向かせる何者かが
からだの鎖を ながくし
ふとくし いつか耐えきれなくなった
こころを つなぐさびしさも
愛にめぐまれないから
やさしさに縋る

解放のしらべ
ひとり翔けてゆくあなた
海のはてまでつづく
生のはじまり
死のおわり



自由詩 初月 Copyright soft_machine 2022-01-09 22:21:00
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