藁焼きてんまや
草野大悟2

たかだかと
つるされた首は
とまどっているのです

とまどうことに
とまどう自分に
いらだっているのです
                 
首は、しょせんクビでしかないことを
よくしっているから
とまどうのです。
   
エンギでもない
と 
カラスがとんでいきました
が、
首は、  
明日のけしきを
いつだって
いつだって  
見つめているのです

それが首だから
首の首たるゆえんだから

いったら
笑うのでしょうか
あなたたちは。

たかだかと
つるされた明日は
しっかりと
明日の向こうに
歩いていくのです。      

飛んできた空を
よけようとして
闇におちました

いう話をするのです
     
いつも
どんなときも
するのです

するのです

するのです     
から
するのです

とんでもなく
するのですが
ときおり
スルノデス
などと
バージョンアップ
したつもりになって
しくじったりしています。
           
そのあとにくる闇は
冷たい目をして
このような
一連のあほさかげんを
ペロペロとして
ペッとして
去っていきます。

どこにいくのですか?
などと
バカなことを聞かないでください

わかりはしないのですから
彼にだって
彼女にだって
誰にだって
わかりはしない。

ことを
聞くあなたは
ひょっとすると
ひょっとしますか?
                  
たかだかと
つるされた首が
星のかなたで
ほら
笑っています。   


自由詩 藁焼きてんまや Copyright 草野大悟2 2022-01-05 23:54:06縦
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