あらい

けしかけられた櫛際を、こそぐ、空と水

神聖なものを犯す、淡雪すら膝を折り
草花を束ねた風鈴と、屈んだままの

よどみなく美しい
佗び錆びを蘇生する
あらゆる獣の夕霧

声に出さずににがわらう
華奢で無作法な某

気づかれないよう痕をつけ、冀う

光を発する谷の一番深いところへ
瞼のソコへ かぎりなく回遊したあとは
すべて消え失せる

正=夢
 月ニ盃

胸を剥がして桶に漬けた
形見のものだ
ヘドロの千切りひとつで 双葉が出る

願いはきっと叶う気がした

嵐は轟轟と唄い 鳥は喚いている
そとは、雲行きは 善いのであろうか


自由詩Copyright あらい 2022-01-01 22:17:51
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