宣井龍人

視界の先
点滅する赤信号
落ちていく雨粒たちが光る

黒い道路に飛沫が跳ね
倒れ無残に横たわる傘
ライトに無言の姿を晒す

タイヤは容赦なく泥を投げ
道路の闇へと消えていく

もう開くことが無い傘
死の訪れを知っていた


自由詩Copyright 宣井龍人 2022-01-01 00:20:55
notebook Home 戻る